グレーのサイディングとガルバリウムのシャープな組み合わせが際立つ、スタイリッシュな外観のK邸。玄関の扉を押し開けると、そこはゆとりある土間が広がり、視線は自然と高く伸びた吹き抜けへと導かれる。開放的なリビングと吹き抜けが織り成す空間は圧倒的だ。多くの住宅で見られる、玄関ホールとリビングを隔てる扉がなく、玄関から直接リビングへ通じるという構造は斬新に感じるが、実は昔の農家の家を彷彿とさせる設計で、ある世代には懐かしさを感じさせるのだとか。そんなK邸で暮らすご夫婦はともに美容師。将来奥さまが自宅サロンを開業するという構想もあり、土間リビングは理想的な空間だった。吹き抜けならではの高窓からたっぷりと日が差し込む明るい空間で、奥さまはリビングで遊ぶ子どもの様子を見ながら、後方のキッチンで家事に励む。ご主人が中二階にいる場合も、リビングから繋がる設計のおかげで、声を掛ければ容易に届く。各階をスタイリッシュにつなげるリビング階段は特注の鉄骨製で、土間からリビングまでをもスムーズに繋ぎ、フレキシブルな動線を可能にしている。家の中ならどこにいても、絶妙な距離感で家族とのつながりを感じられる、こんな家で暮らす家族は、間違いなく幸せを感じているだろう。