どんな土地でも工夫次第で住みやすい間取りを作ることができる
土地の形状は、正方形、長方形、旗竿形、台形、三角形と実にさまざま。一般的に「整形地」と呼ばれる正方形や長方形の土地は、住宅を建てやすいとされ人気です。
一方、それ以外の変形地は「不整形地」と呼ばれ、土地の価格が比較的安いのに敬遠されがち。しかし変形地でも、土地の特性を見極めた設計力によって、住みやすい家を建てることができます。
それぞれの土地の特徴やメリット・デメリット、さらにその克服法を紹介します。
土地の形(1)正方形
特徴と克服法
正方形の土地は使いやすく、設計の自由度も高くなります。そのため人気があるのですぐに売れてしまい、土地の価格が高くなることも。
坪数が小さいと使いづらく、間取りが限られたり、無駄なスペースができてしまう場合もあります。車の台数や停め方、建物の形を考慮しながら土地を選びましょう。
また、正方形の土地では、建物の中央が暗くなり、臭いや湿気がこもりがち。中央に階段室を配置し、上部にトップライト(天窓)を設けることで克服できます。
「トップライト」の施工例
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土地の形(2)長方形
特徴と克服法
長方形の土地は、同じ敷地面積なら正方形より使いやすく、間取りの柔軟性も高くなります。駐車場を配置しやすく、居住スペースを広く取れます。そのため、正方形同様に土地の価格が高くて人気です。
ただし、間口が狭くて細長い「うなぎの寝床」のような土地は注意が必要。周りに住宅が密集していることも多いので、日当たりや風通しが悪く、生活動線が不便になりがち。
この場合は縦に視線が抜けていく細長さを有効活用し、廊下をなくしたり、間仕切りの少ない大きなLDKをつくるのが吉。そうすることで動線が便利になり使い勝手が良くなります。吹き抜けをつくって採光や風通しを確保するのもいいですね。
「間仕切りの少ないLDK」の施工例
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土地の形(3)傾斜地
特徴と克服法
土地に勾配がある傾斜地は、建築前に土地の整形や地盤改良が必要になる場合もありますが、土地の価格が安いというメリットも。
傾斜がある分、眺望も良く、半地下を駐車スペースにしたり、高低差を利用してスキップフロアにしたりと、変化に富んだ空間がつくれます。デメリットを逆手に取ったアイデアで、平地にはないユニークで楽しい住まいに。
隣家との高低差により、採光を確保しやすいという点も魅力。周辺の住宅と高さがズレるので視線が気にならず、プライバシーが守られます。
「スキップフロア」の施工例
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土地の形(4)旗竿形
特徴と克服法
旗竿地とは、竿がついた旗のようなL字型の土地のことです。土地の価格が安いのが大きなメリット。細長い竿の部分が道路からの通路となり、奥まった旗の部分が住宅の敷地になります。
旗の部分は住宅設計の自由度が高く、道路から離れているため、比較的静かに暮らせます。細長い通路に木を植えたり階段をつくったり、玄関までのアプローチとしてこだわるのも良いですね。
竿の部分を駐車場にするパターンが多いですが、縦列駐車になり、車の出し入れがしにくいことも。また、住宅を建てる時にトラックや重機が通れず、建築コストが高くなってしまう場合もあるため、事前の確認が必要。
旗竿地は、周囲を建物に囲まれている場合が多く、光が差し込むところが限られ、閉鎖的になりやすいのが難点。家の中央に中庭やテラスを設けて光と風を取り込めば、プライバシーを確保しつつ、開放感ある明るい空間になります。
「中庭」の施工例
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土地の形(5)不定形
特徴と克服法
台形や三角形といった不定形の土地は、価格は安いですが、デッドスペースができてしまい建物部分のスペースが狭く、間取りの自由度も低くなります。
不定形地の克服法は、逆に思い切ってその形を活用すること。建物以外のスペースを設計段階からプランに取り込み、遊び心のある空間をつくりましょう。敷地の形状をそのまま間取りや外観の形状に取り入れたり、空いたスペースを庭にしたり。
多彩なアイデアを盛り込んでプランニングすれば、真四角の土地よりも個性的で飽きのこない唯一無二の暮らしを楽しめます。
さまざまな「変形地」の施工例
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周囲の環境が間取りに与える影響とは?
土地は形だけでなく、周囲の環境や方角によっても間取りは大きく変わります。土地の購入前に一度、建築家や設計士に見てもらい、さまざまな立地条件を専門知識で判断してもらうと良いでしょう。
後悔のない土地選びのために、おさえておきたいポイントをお伝えします。
1.道路の方角によって建物の配置が変わる
敷地から見てどの方角に道路があるかによって、建物の配置や玄関・駐車場の位置は大きく変わります。
一般的に南側に道路がある敷地が好まれますが、南側を広く開けるため建物を北側に寄せようとしたら北側斜線(下記参照)の規制に引っかかってしまうことも。
逆に北側に道路があると、北側斜線は道路の反対側からになり、建物を北側に寄せても規制にかかりません。北側に玄関を、日当たりの良い南側に広い庭やLDKを配置して、スペースを有効に使える場合もあります。
知っておきたい「北側斜線」とは?
住居用の用途地域では、良好な住環境を守るため、住居の北側に規制が設けられています。これが北側斜線です。最も厳しい制限では、真北方向の敷地境界線より垂直距離5mの位置から1:1.25の斜線を引き、その中に建物をおさめなければなりません。
2.隣家との位置関係を確認しよう
敷地から見た道路の方向で玄関の位置が決まったら、隣家との境界線を確認しましょう。敷地の境界から隣家までの距離、隣家の建物の高さ、窓の位置もチェック。採光・通風、プライバシーに配慮した間取りに。
「日照条件」をチェック
太陽の光をより多く取り入れるためには、その敷地の日照条件をていねいに読み取る必要があります。太陽高度は四季で変化するため、南側に隣家があるなど日照条件が悪い土地は、冬の日当たりを意識して間取りを検討することが大切。
日照条件が悪い場合、通常より背の高いハイサッシを使う、吹抜けやトップライト(天窓)を設ける、リビングを2階にするなど、間取りの工夫で採光を確保しましょう。
3.道路から引き込む設備を確認しよう
水道、電気、ガスといった生活に必要な設備は、道路から敷地に引き込んで使用します。引き込み位置により建物の配置や水回りの位置が変わってくるため、事前にその位置を確認することはとても重要です。
周辺環境で実際にあった失敗例
【昼と夜の騒音の違い】
日曜日の昼間は静かだったが、前面道路が抜け道らしく、平日の夜は車の走る音がうるさい。
【家の前がゴミ置き場】
家の前の電柱がゴミの集積場。ゴミ収集日の朝は車を出しにくい。
【隣家の窓】
寝室の窓と隣家のキッキンの換気扇の位置が同じくらいの高さで窓を開けられない。
【境界杭の位置】
1か所だけ境界杭がなかったが、後から入れればよいかと土地を購入。後に境界の件で隣家ともめていることが判明。
まとめ
●旗竿地や台形などの「不整形地」は価格が安いことが多く、設計の工夫で住み心地の良い家が建てられます。
●土地の形状や周辺環境もふまえ、その特徴を最大限に生かしたプランニングで住みやすい空間に。
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