建築確認申請とは
新築を建てたり、増改築をする際に建築基準法に適合しているかどうかを審査してもらったりするための必要な申請です。新築のときはもちろん、増改築の場合にも必要になります。また、カーポートなども建築物とみなされ、建築確認が必要になります。
緊急災害時の仮設住宅など特殊な場合を除いて、基本的にほとんどの建物では工事に取り掛かる前に建築確認が必要です。建築確認が取れなければ着工することができませんので、家を建てるとき、まず最初にやらなければいけない手続きが建築確認申請です。
建築確認申請は誰がするかというと、建築主である家のオーナーです。ただ、実際には図面や資料等の提出が必要なので、一般の人が書類をそろえるのは非常に大変です。たいていの場合は建築を実際に行う建築業者などが代理で行うことになります。
確認は、指定確認検査機関が行います。
申請をしなかったらどうなる?
建築確認申請を怠ったまま、工事を開始したり、建物を建てた場合は違法となります。
建築確認申請は何を確認するの?
設計図や建築計画を見て、建築基準法や各種条例などに違反していないか確認します。
建物自体に関わる「単体規定」と建物と周囲との関わりについての「集団規定」があります。
単体規定には、以下のような項目があります。
構造耐力
自重・積載荷重・積雪荷重・風圧・土圧および水圧並びに地震その他の震動および衝撃に対して安全な構造であること、建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること
建築物の設備(防火・耐火、避難など)
高さ20mを超える建築物には、原則として被雷設備の設置、高さ31mを超える建築物には、原則として非常用の昇降機(エレベーター)設置
建築物の衛生
換気のため1/20以上、住宅の居室1/7以上など、建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質を添加しないなど
安全性
階段の寸法は蹴上23cm以下、踏面15cm以上、階段と踊り場の幅75cm以上とする、手すりの高さは1.1m以上、手すり子の間隔は110mm以下など
建物内環境、室内環境
住宅の居間、寝室、事務所の事務室、会議室、商店の売り 場、工場の作業場、集会室、ホテルのロビー、映画館の客席 ホール、喫茶店の客席、厨房、公衆浴場の更衣室、浴室などは、シックハウス対策の規制対象になります。
建築確認申請の流れ
まずは図面を窓口に提出して、事前相談を行うか、確認申請図書を確認検査機関に提出して事前受付をします。
設計者から提出された確認申請図書について、確認検査機関が「事前審査」を行います。
建築基準法に適合しない場合は、指摘書をメールやFAXなどで設計者に送付します。
図面の訂正などがなければ、本受付をし、申請手数料を支払います。
申請にかかる費用と時間
申請にかかる費用は各自治体によって異なります。
たとえば、東京都では、床面積の合計が30㎡を超え100㎡以内の場合、着工前の確認申請で9,400円、中間検査申請と完了検査申請にそれぞれ11,000円かかります。
大阪市では、床面積の合計が100㎡以下の確認申請が33,000円、中間検査で18,000円かかります。
確認審査にかかる期間は最長35日、適合性判定が必要な場合にはさらに最長35日かかり、合計で最長70日です。
申請に必要な書類
- ・確認申請書(法令様式 1面から5面)(規則二号様式)
- ・委任状(代理者が手続きを行う場合)
- ・図面等(案内図、配置図、敷地求積図、平面図等、構造計算書等規則第1条の3の規定により必要な図書)
- ・構造計算の安全証明書の写し(構造計算をした場合)
- ・手数料(収入印紙)
別途、建築計画概要書や建築工事届なども必要になります。
申請後に変更が生じた場合は再申請が必要
申請建築計画の変更を行う場合は、原則として、計画変更確認申請が必要です。
この場合も建築主事の確認を受けなければなりません。
建築確認申請が不要な場合もある
小規模な倉庫や物置など、建築基準法で定められている建築物に該当しない場合は、建築確認申請は不要です。
防火地域や準防火地域以外で、10㎡以下の建物を増築・改築・移転する際には、建築確認申請は必要ありません。また、床面積が200㎡以下で、特殊建築物以外の用途変更、仮設建築物の一部なども建築確認申請は不要です。
建築確認済証を紛失したらどうしたらいい?
建築確認済証は再発行ができません。
ただし、台帳記載事項証明書や建築計画概要書などでも代用できます。
台帳記載事項証明書は、確認済証と検査済証交付の記録が記載されています。
建築計画概要書は、建築確認申請書と共に提出される書類です。