注文住宅の内装・インテリアの決め方とは?
注文住宅の内装・インテリアをおしゃれにコーディネートする秘訣は、3つのステップで進めていくこと。部屋の印象を左右する大枠=テイストを決めてから、細かなパーツ=素材選びへと進めて行きましょう。
Step1.インテリアのテイストを選ぶ
まずは自分たちの理想のインテリアテイストを選びましょう。フリーマガジン「イエタテ」や「家を建てるときに読む本」などの注文住宅を紹介している雑誌や、インスタグラムなどのSNSが参考になります。
<テイストを選ぶときのポイント>
住宅会社のインテリアコーディネーターに理想のイメージを説明するときにも、雑誌やインスタグラムの画像を見せると伝わりやすいです。そのときは、家や部屋全体の画像を見せるようにしましょう。
部屋の一部など細かい部分の画像ばかりだと、テイストがバラついて、かえって伝わりにくくなります。
Step2.基本のカラーを決める
①ベースカラー ②メインカラー ③アクセントカラー の、3つの基本カラーを選びましょう。
①ベースカラー
床や天井、壁など、室内で大きな面積を占める部分に用いる。
②メインカラー
カーテンやソファなど、ベースカラーの次に面積を占める。
③アクセントカラー
照明やクッション、絵画など、部屋に入ったときに最初に目が行く部分に用いる。
<カラーを決めるときのポイント>
基本カラー3色の面積は、①ベースカラー7:②メインカラー2.5:③アクセントカラー0.5が黄金比。この割合を目安にコーディネートすると、バランス良くまとまります。
白などの1色だけに統一すると、視線の行き場がなく、落ち着きのない空間になりがちです。
Step3.内装・インテリアのパーツや素材を選ぶ
内装のうち、まずは図面や施工に影響するものの素材と配置を選びます。ドア・巾木・回り縁といった建材、床材、造作家具、間接照明などがこれにあたります。
そのあとで壁のクロスやタイル、設備、照明、置き家具の素材を決めていきます。
<素材を選ぶときのポイント>
床材や壁材は、カタログやサンプル帳を見ながら選びますが、小さな素材だけではイメージが掴めないことも。メーカーから大きめサイズのサンプルを取り寄せる方法もありますが、もっと確実なのは、実際の導入事例を見ることです。
完成見学会やモデルハウスを積極的に見学しましょう。
注文住宅の内装で参考にしたい!人気のテイストは?
注文住宅をおしゃれにコーディネートする最初のステップは、テイスト選び。最近人気の7つのテイストを、特徴、イメージカラー、実例と合わせてご紹介します。
1.和モダン
モダンな空間に和の素材を取り入れて、幅広い世代の暮らしになじむ空間に
モダンと和が融合したスタイル。シンプルな空間に木や畳、障子、和紙といった和の伝統素材を用い、落ち着きのある空間を演出します。
LDKに畳コーナーを設ける場合には、全体の統一感を意識しながら壁の色や和の素材でアクセントを付けると効果的。背の低い家具やローソファを選ぶと、和モダンらしさを強調できます。
二世帯住宅や終のすみかにと、幅広い世代に人気です。
◆イエタテのフォトギャラリーで「和モダン」なインテリア実例を見る
2.ナチュラルモダン
木の温かみを活かしつつも、直線的なデザインで洗練された空間を演出
従来のシンプルモダンテイストに自然素材をプラスして、ラフな雰囲気とカッコよさを打ち出したテイスト。木材の色であるブラウン系を基調としたコーディネートです。
無垢材をふんだんに用いたカントリースタイルとは異なり、曲線ではなく直線的なデザインが基本。自然素材の色合いや風合いを大切にしながらも、洗練されたモダンな空間であることが特徴です。
女性や子育てファミリーを中心に好まれています。
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3.レトロモダン
時代物の家具や小物をアクセントに、新しさと懐かしさが溶け合った空間を演出
日本の大正時代や昭和初期をイメージしたインテリアで、濃いブラウン系の木製家具や、くすんだ色のファブリックを用いるのが主流です。
英国のアンティーク家具とウィリアムモリスの壁紙を組み合わせた西洋風のレトロアンティークも人気。
古いものが好きで、落ち着きや温かみを求める人におすすめです。
◆イエタテのフォトギャラリーで「レトロ」なインテリア実例を見る
4.ホテルライク
隠す収納で生活感を排除した、高級ホテルのような非日常空間
高級ホテルのようにラグジュアリーで洗練された、非日常空間を演出するインテリア。そのためには、隠す収納を充実させて生活感をなくすことも重要です。
コーディネートの際には、モノトーンやブラウン系のカラーでまとめるのがポイント。間接照明を効果的に用いることで、シックで上質な雰囲気を演出できます。
また、照明や家具、アートなどをシンメトリー(左右対称)に配置すると“ホテルっぽさ”が強調されます。
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5.北欧スタイル
温かみのあるナチュラルな空間に、主役級の照明やカラフルなファブリックをプラス
ベースカラーは白やグレー。白木の無垢材や自然素材を取り入れたシンプルな空間と、ペンダントなどの局部照明や間接照明によるやさしい灯りの照明演出が特徴です。北欧照明の名品が部屋のアクセントとしてよく用いられます。
動物や植物をモチーフにした大胆な色柄のファブリックも特徴の1つ。子育てファミリーやナチュラルな暮らしをしたい人におすすめです。
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6.フレンチシック
白を基調にアンティーク感をプラスした、大人かわいい空間
白が基調のシンプルな空間に、マントルピースやアンティーク家具などのデコラティブなデザインをプラスしたインテリアスタイル。
白やグレーをベースに、パステルカラーを組合せるのがポイントです。
ヘリンボーンの床や、モールディングを施した壁や天井、レースのカーテン、真鍮の取手などを用いたエレガントな雰囲気が、女性に人気です。
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7.インダストリアル
無機質な素材をむき出しにした、無骨で男前な空間
アイアンやコンクリートなどの無機質な素材をむき出しにし、工場や倉庫をイメージさせる無骨なデザインが特徴です。
例えば鉄骨造の梁や柱、コンクリートやレンガの壁、アイアンの階段、金属製の家具、ビンテージ感のある無垢の床などをインテリアに活かし、無骨さの中にも素朴な温かみが感じられる空間を演出します。
男性から圧倒的な人気を誇り、インナーガレージや小屋、ご主人の個室など、住まいの1スペースに採用するケースも多くあります。
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おしゃれに決まる「インテリアパーツ」の選び方とは?
「注文住宅の内装・インテリアの決め方」で、3ステップの最後は「内装・インテリアのパーツや素材を選ぶ」と述べました。選ぶときはどんなことに気を付けると良いのか、パーツの種類・特徴と選び方のポイントを紹介します。
照明は「部屋のテイストに合わせて選ぶのが鉄則」
メインの照明は、天井に付けるシーリングライトや、天井に埋め込むダウンライトが主流。最近人気のダウンライトは、天井がすっきりして開放感を増す効果があります。
メイン照明のほかに、天井から吊るすペンダントライトや壁付けのブラケットライトをプラスすると、部屋のアクセントとなり、おしゃれな雰囲気に。
ペンダントライトやブラケットライトにはいろいろな製品がありますが、部屋のテイストに合わせたデザインを選ぶのが鉄則です。
壁は「ベースカラーにアクセントをプラス」
壁材には、クロス、塗り壁、塗料、板張りなどが用いられます。
壁はベースカラーにあたるので、白やグレーといった無彩色、またはベージュなど彩度の低い色を選ぶのが無難です。
一方で、壁の一部にカラーのクロスを用いたり、石やエコカラット、タイルなど立体感のある素材を選び、アクセントを付けるのも人気。
TVボードの背面、キッチンの腰壁や背面といった、室内で視線が集中する場所(フォーカルポイント)の壁に用いると効果的です。
床は「色や素材だけでなく、機能性も重視」
床材には、無垢や突板のフローリング、タイル、畳などがあり、素材も色も豊富。最近はフローリングが主流です。
インテリアテイストに合うことはもちろんですが、傷や汚れが付きやすい場所なので、掃除のしやすさや耐久性も考えて選びましょう。白系の床材は、室内の印象を明るくする一方で、汚れが目立ちやすいというデメリットがあります。
素足で歩いたり、寝転んだり、体が触れたときの素材感も大切に。
建具は「存在感を隠すor目立たせる」
ドア、窓枠、襖といった建具や回り縁や巾木など、床・壁・天井に接するパーツは、床または壁と同色にして統一感を持たせるのが基本です。
一方で、あえて色の異なる建具を用いてアクセントにする方法も。取っ手やガラスでも個性を演出できます。
窓枠の色は外観に合わせて選ぶのが一般的ですが、外側と内側で色が異なる製品もあり、室内に合わせることもできます。
室内に合わせる場合は、床や壁と同系色にするか、黒など強めの色を選んでエッジを効かせるのがおすすめです。
注文住宅の内装・インテリアで知っておきたい用語集
施主支給
インテリアパーツにこだわりたい場合に、照明や洗面ボウル、水栓金具、取っ手、スイッチなどの製品を施主である自身が手配すること。
施主支給したい製品があるときは、必ず住宅会社に断りを入れましょう。
特に照明器具には電気の配線が関わるので、事前に住宅会社に相談を。
造作家具
部屋のサイズや雰囲気に合わせて、既製品ではなくオリジナルでつくる家具のこと。
床材と同一素材でつくれるので、統一感のある空間を実現できます。
棚などの簡素な家具は大工職人がつくり、引き出しなどがある手の込んだ家具は家具職人がつくるのが一般的です。
家具職人による造作家具は費用が割高なので、予算をしっかり検討しましょう。
標準仕様とオプション仕様
住宅会社によっては、「標準仕様」として使用できるインテリアパーツの種類が決まっている場合があります。
標準仕様に該当しない製品を選びたいときは、「オプション仕様」になります。
オプション仕様は料金が割高になることがあります。
フォーカルポイント
部屋の中で、人の視線が集中する場所のこと。
部屋に入ったときにパッと目につき、空間の印象を左右します。
フォーカルポイントは、アクセントウォールや家具、照明などのアイテムを使ってつくります。自分の好きな雑貨や絵画を飾るのもおすすめです。
ニュートラルカラー
白、黒、グレーといった色味のない無彩色のこと。
近年では、彩度の低いベージュやアイボリー色も含まれます。
ニュートラルカラーをベースにする、ニュートラルカラーだけでまとめるなど、色の組合せにニュートラルカラーを使うのが最近のトレンドです。
まとめ
●インテリアテイスト選びは、住宅雑誌やSNS、フォトギャラリーが参考になる。
●基本カラーは3色選ぶ。ベース7:メイン2.5:アクセント0.5の割合で色を使うとバランス良くまとまる。
●パーツを選ぶときは、インテリアテイストに合わせるのが基本。あえてテイストを外して、アクセントをつける方法も。
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