注文住宅でよくある収納の失敗とは?
イエタテが家づくり経験者に「家づくりの後悔・失敗」を聞いたところ、もっとも多くあがったのは「収納」に関することでした。
具体的な失敗談を紹介します。
収納の後悔・失敗例
「玄関に収納力の多い靴箱や荷物置き場があったらよかった。」(50代女性・築10年以上)
「部屋ごとに小ぶりの収納を配置したけれど、片付けるのが面倒。結局あれこれ出しっぱなし。」(プロフィール非公開)
「家族でキャンプにハマっているのですが、キャンプ道具を置く場所がなくて。玄関まわりや物置にもっと収納スペースが欲しかった。」(30代女性・築3~5年未満)
【関連記事】こうすればよかった!注文住宅の「後悔・失敗例」8選!失敗しないための対策ポイントもご紹介
注文住宅の収納がうまくいく考え方のポイントは?
機能的で家事ラクな収納を手に入れるはずだったのに、暮らしてみたらなんだか不便…。
そうならないためには、ただ「収納をたくさんつくる」「大きな収納スペースをつくる」のではなく、利用シーンを考えることが大切です。
ポイント1.収納と動線をセットで考える
まずは、自分たちが日ごろ家でどのように過ごしているのか、1日の行動を思い返してみましょう。
買い物に出かけ、帰ってきたら買ってきたものをキッチンの冷蔵庫にしまう。
→玄関からキッチンまでの動線上に、ストック品を収納するパントリーがあるとラクそう。
洗濯ものが乾いたら取り込んで、衣類は家族それぞれの部屋へ、ランドリーグッズは洗濯機がある脱衣室にしまう。
→物干し場から脱衣室までの動線上に、家族全員の衣服を置くファミリークローゼットがあると便利そう。
このように前後の行動を考え、動線のなかに収納を確保すると、日々の暮らしがスムーズになります。
ポイント2.必要な場所に適切な容量の収納をつくる
目的に合わせて収納の場所や大きさを決めるのが、機能的な収納に欠かせないポイント。
そのために、片付けるものをできるだけ具体的にイメージしましょう。
●家族全員分の靴は何足あるか。ブーツや長靴など、高さのある靴もしまいたい。
●パントリーにどんなものを置くか。お米や飲料水など重いものは、持ち上げなくてもいいよう低い位置に収納したい。
●リビングは常に整理しておきたい。汚れたらすぐに掃除ができるよう、リビングに掃除用具の収納場所をつくりたい。
など、所有しているものの量や大きさと、理想の暮らしを思い描くと、適切な収納場所と容量が見えてきます。
ポイント3.今と将来の暮らしを具体的にイメージする
理想の暮らしは、今住んでいる家の不便なところを思い浮かべると見えてきます。
収納も同じで、今の家の「ここに物置きがあったらいいのに」「この収納がこれくらい広かったらいいのに」といったデメリットを思い浮かべてみましょう。
そのデメリットを解決する方法こそ、自分たちの暮らしに必要な収納場所と容量であるといえます。
また、子どもが成長するなど、暮らし方が変わっていくことも考慮する必要があります。
「入居後、数年経ってから子どもの自転車を買ったけれど、置くところがなくて困っている」といった声も。
家族で話し合うなどしてイメージを膨らませるほか、家づくりの先輩宅を見学できる「入居者見学会(OB見学会)」に参加して、実際の暮らし方を見たり話を聞いたりするのも、参考になります。
これが人気!収納間取りBEST5
実際に家を建てた先輩たちが「やってよかった!」と満足している人気の間取りをご紹介。
今の家での収納の悩みに合わせて、間取り決めの参考にしてください。
ウォークイン玄関収納
ウォークイン玄関収納は、靴を履いたまま入れる大容量の収納スペース。
●雑然としがちな靴をすっきりしまえるので、整頓された印象になる
●外遊びの道具などの収納場所も確保すれば、室内に持ち込む荷物が少なくなりリビングが片付く
●ベビーカーや自転車などを玄関の外に置いておかずにすむので、盗難防止にもなる
といったメリットがあります。
使い勝手のいいウォークイン玄関収納は、家族の誰もが片付けやすい棚と容量の確保がマストです。
収納スペースへの出入り口が玄関のみのタイプを「ウォークイン」、玄関から収納スペースを通り抜けて室内に入れるタイプを「ウォークスルー」と呼びます。
ウォークイン玄関収納の実例①土間を広く取って、大きいものも室内に
自転車をディスプレイしてもゆとりある広さで、ベビーカーでも余裕を持って入れる。傘や雨具も室内に持ち込めるので、雨の日の身支度もスムーズに。
ウォークイン玄関収納の実例②ホールから室内につながるウォークスルーの玄関
玄関中央に間仕切り壁を造り、手前は来客用、奥は家族用にゾーン分け。上り口は広くし、靴棚はディスプレイを兼ねてオープンに。シンプルで使いやすい。
パントリー
パントリーは、調理器具や食料品のストックを保管する、キッチン専用の収納スペース。「クローゼットのキッチン版」とも言えます。
大きく分けて、
●キッチンの壁に奥行きの浅い収納棚を取り付ける「壁面収納型」
●キッチンのそばに小部屋を設ける「ウォークイン型」
の2タイプがあります。
ウォークイン型は、キッチンと玄関の動線上に設置することも。買い物から帰ったあと、重たい荷物をキッチンまで持ち運ぶ必要がなく便利です。
パントリーの実例①隠す収納でキッチンのナチュラル感をアップ
無機質な物がリビングから見えないよう、冷蔵庫や調理家電もすべてパントリー内に収納。無垢材でまとめたキッチンのナチュラル感を引き立てている。
パントリーの実例②勝手口から直通で、家事ラクを叶える
駐車場へと出入りできる勝手口直通のパントリー。広めの空間を確保することで、ぎゅうぎゅうに詰め込まず、ゆとりを持った収納を実現。全体量が把握しやすいので在庫チェックも簡単、いざという時にも取り出しやすい。
リビング収納
リビングは、家族が一番長い時間を過ごす場所。ゆったり過ごせる空間にしたいと考える一方で、雑多な物が集まって散らかりがちです。
これを解決するのがリビング収納。
●壁面収納をつくる
●小上がりやスキップフロアに収納スペースをつくる
●ウォークインタイプの収納小部屋をつくる
などいくつかの方法があります。
いずれの場合も、収納の中身がリビングから見えないよう、扉などを設けて目隠しにすると、よりすっきりとした印象になります。
リビング収納の実例①リビングだからこそ可能な天井まである壁面収納
リビングの広さを生かした壁面収納は、後付けの家具では難しい大きなスペースの確保が可能。オープン棚に整理ボックスを組み合わせれば、しまうのも取り出すのも簡単。
リビング収納の実例②テレビ裏のスペースを活用した、ウォークインできる収納空間
リビングの一角に、広い収納空間を設置。掃除用具も含め、リビングで使うものはすべてここに収納することで、物が少なく整理されたリビングを実現。ドアを2つ設けることで、行き止まりがなくなり、空間全体を有効活用できる。
ファミリークローゼット
家族の衣類を1か所にまとめて収納できるファミリークローゼット。
衣類の置き場所を集約することで、
●洗濯後に家族ごとの個室に運ぶ必要がない
●家事動線上に設置すれば、食事の支度や掃除などをしながら洗濯物の片づけができる
●子どもの衣類やバッグなどを1か所にまとめておけば、小さい頃から自分で片付ける習慣が身に付く
など、たくさんのメリットがあります。
ファミリークローゼットの実例①帰宅時の行動を考えた、大好評の動線
ウォークスルータイプの玄関収納と、1階にある寝室の間にファミリークローゼットを設置。帰宅時の動線がミニマムに。間仕切りの扉を閉めれば、玄関からも寝室からもクローゼットの中は見えなくなる。
ファミリークローゼットの実例②子どもと共に成長する、未来を見据えたクローゼット
子どもが成長して衣類が大きくなることを考え、可動式の棚を採用。しまうものに合わせて高さを調整できる。自分のものは自分で片付けられるよう、ハンガーパイプを低めにしたり、低い位置に収納スペースを設けたりといった工夫も。
小屋裏・ロフト
土地の面積に限りがあるときなど、天井裏のスペースを収納部屋として使用するのは賢い方法です。
扇風機やファンヒーターなどの季節用品や、節句人形など、大きくて使用頻度が低いものを小屋裏やロフトにしまうことで、リビングなど生活のメインスペースに、普段使う物の収納場所を確保できます。
一般的に、小屋裏は屋根裏の空きスペースを活かした独立空間、ロフトは居室内にある天井下スペースを指します。
どちらも高さ1.4mまでという制限があります。
小屋裏・ロフトの収納実例①将来の収納スペースを、今は子どものプレイルームに
2階のクローゼットから階段でつながる小屋裏収納。床材に調湿性の高いスギを使い、小窓も設置。収納容量だけでなく、明るさと居心地の良さも確保した。しまうものが少ない現在は、子どもの遊び場になっている。
小屋裏・ロフトの収納実例②収納力と居心地の良さを兼ね備えた、書斎風のロフト
壁に造作本棚を埋め込むことで、大きなアイテム以外もスッキリと片付けられる。天井にはアクセントカラーのブルーを採用。おこもり感のある趣味部屋としても使える空間に。
マネしたい!場所別の収納アイデア
家族構成や生活スタイル、家族の趣味によって、収納の悩みはさまざま。悩みを解決し快適な暮らしを実現した収納アイデアを、イエタテの実例からピックアップしてご紹介します。
①玄関
たっぷりと収納できるシューズクロークは、玄関のホールからも廊下からも室内からも出入りできる
広々とした土間の玄関。壁には大容量の収納も確保
玄関は土間収納を設け、三世代分の家族の靴もすっきりと収納できる
便利な大容量収納で玄関はいつもスッキリ
玄関にはシューズクロークと壁面収納を確保
→イエタテのフォトギャラリーで「玄関」の収納アイデアをもっと見る
②リビング
リビング内にビルトインした本棚兼収納棚
大容量の収納を設けることで、物が乱雑になりがちなリビングをスッキリさせる工夫を
大きな収納は建具を付けず、ロールスクリーンでサッと開け閉め。たくさんのおもちゃもすっきり片付く
リビングの小上がりの下部は収納になっている
リビング収納は6畳の大空間。急なお客様でも荷物をサッと片付けられる
→イエタテのフォトギャラリーで「リビング」の収納アイデアをもっと見る
③キッチン
キッチンの背面にはシンプル&ナチュラルな収納を造作した
キッチンの後ろに設けた壁一面の収納棚に、食材や食器、電子レンジなどをまとめている。引き戸を閉めれば、生活感ゼロに
キッチンの背面には大型のパントリーを。普段使わないキッチン家電から食料品のストックまでまとめて収納
キッチンカウンターに作られた小さな収納スペースは、お箸やカトラリーなど細々したものをしまっておくのに便利。カウンター上部の吊り戸棚はなくして、開放感を演出
キッチンに備えたウォークインタイプのパントリー。L字に配した収納棚で、細々したものまでしっかりと整理整頓できる
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④洗面・脱衣所
キッチン、パントリーからつながるサニタリー。大容量の収納は所有するBOXの大きさに合わせて造作した
収納力抜群の洗面スペース
小さめのタイルが上品な造作洗面台。収納を自由に作れるのもオリジナルならでは
階段下を上手に活用した洗面室の収納スペース。タオルや着替えの収納・洗剤などのストックスペースにも重宝しそう
収納付きの洗面スペース。空間を広くとり、室内干しができるようになっている。造作の洗面台はシンプル&ホテルライクなデザインが印象的
→イエタテのフォトギャラリーで「洗面・脱衣所」の収納アイデアをもっと見る
⑤寝室
無垢のスギ×白×グレーで統一した寝室。奥には余った床材で造作した棚とウォークインクローゼットがあり、季節の寝具も収納できる
壁面にはオープンラックを組み合わせた収納スペースを確保。どこに何があるかがひと目でわかり、取り出しやすさが抜群。お気に入りの洋服をインテリア演出に活かすこともできる
寝室にはウォークインクローゼットと納戸があり、収納力抜群
寝室に屋根裏収納庫を設け、普段めったに使わないものはたっぷり収納しておける
オープン収納が基本のY邸。寝室のクローゼットも扉がないので、洋服選びもスムーズに
→イエタテのフォトギャラリーで「寝室」の収納アイデアをもっと見る
⑥階段下
畳コーナーには、階段下を活用して、壁一面に宿題デスクと可動棚を造作
リビング階段の下を収納として活用。右側は重くて小屋裏まで持って上がるのが困難な、お雛様用。左側は掃除ロボットの充電場所に
キッチンから近い場所にある洗面脱衣室。階段下を利用したこぢんまりとした収納スペースは、子どもの絶好の遊び場にもなっている
階段下のデッドスペースを有効利用した収納。ご主人が大好きな音楽を楽しむための、お気に入りスペース。大切なレコードなどがスッキリと収まる
階段下のデッドスペースを活かして外着用のクローゼットを造作
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⑦子ども部屋
2階の子供部屋は収納スペースで繋がっており、子どもが小さいうちは個室というよりもお遊戯室として。一人部屋が欲しい年頃になったら間仕切りも可能
子ども部屋には学校に着ていく服をかける程度の小さめの収納と、カウンター机を造作。ブルーのドアをアクセントとした
子ども部屋の収納は扉を付けずにアクセントクロスを用い、明るく広々とした印象に
子ども部屋のクローゼットはハンガーパイプも含めて棚全体を可動式に。成長に合わせて調整できる
ロフトベッドを設けたことで4.5畳の空間をより広々と使うことができる。ベッドの下は収納として利用したり、好きなものを並べて自分だけの空間をつくったりする楽しみも
→イエタテのフォトギャラリーで「子ども部屋」の収納アイデアをもっと見る
⑧小屋裏・ロフト
小屋裏のプライベートルームはご主人のお気に入り
小屋裏には収納棚はL字型に設けてあり、どこに何があるかが一目瞭然
寝室の上部、収納力たっぷりのロフトはご主人の趣味のスペース。クローゼットの扉を開け、秘密の階段を上って収納
上部のロフトは畳コーナー。ゲストの寝室としても活用できる
愛猫専用のロフトを設置。愛猫がくつろぐ姿に癒される
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まとめ
●注文住宅で理想の収納を実現するためには、収納と動線をセットで考え、必要な場所に適量の収納を配することがポイント。
●「ウォークイン玄関収納」「パントリー」「リビング収納」「ファミリークローゼット」「小屋裏・ロフト」の5つが人気。
収納にこだわった注文住宅の施工例を見てみよう
イエタテでは、「収納にこだわった家」「間取り、家事動線にこだわった家」など、こだわりポイントで絞り込み、新築施工例が検索できます。豊富な写真や情報を見ながら、収納間取りのイメージを膨らませてみましょう。
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