住宅インスペクションって何?
インスペクション(inspection)は英語で検査、調査という意味で、住宅インスペクションはいわゆる住宅診断のことを言います。住宅に精通する専門家(建築士など)が、第3者的な立場から、住宅の劣化状況や欠陥の有無、改修すべき箇所がないかどうかを検証し、「いつごろどこにいくらぐらいの費用がかかるか」「このままで何年ぐらいもつか」など、時期やおおよその費用感などをプロの目で見極めアドバイスしてくれます。中古住宅の購入では住宅の耐震性や品質への不安をなかなか拭いきれないものです。そういった不安を解消するための方法として、住宅インスペクションや、売買後のトラブルに対応する瑕疵保険のニーズが今高まっています。中古住宅・リフォーム市場の活性化を推し進めている国としても、中古住宅を安心して購入できる環境整備に力を入れています。
目的によって分けられる 2つのインスペクション
現在行われているインスペクションには、下記の2つがあります。
①住宅診断のみが目的の調査
②瑕疵保険加入が目的の調査
瑕疵保険とは、購入後に何か欠陥が見つかったときに保証してくれる保険のことをいいます。建物主要構造部や防水関連、給排水管路などが対象になります。建物の状態だけを調べて終わるのではなく購入後の瑕疵に対応する保険を付けることで、売主も買主も双方に安心して取引ができるため、静岡不動産流通活性化協議会(以下協議会)ではこちらをオススメしています。
料金はどのくらいかかるの?
料金は、会社によって異なります。①の場合は5〜6万円前後が一般的です。②の場合、協議会が扱う「中古住宅あんしんパック!建物あんしんサポート」では、住宅インスペクションと白アリ検査(白アリ1年保証付)で5万2000円(税別)。瑕疵保険は、建物の延べ床面積によって異なり、125㎡未満の場合6万9000円(税別)となります(5年間1000万円まで保証)。
どこに頼めばいいの?
「中古住宅あんしんパック!建物あんしんサポート」の場合、仲介する不動産業者を通して申込みができます。不動産業者に「中古住宅あんしんパック!をやってほしい」と伝えれば手続きしてくれます。また現在では、住宅会社や不動産会社でも瑕疵保険の取扱いを始めている会社が増えています。建物の状態だけがわかればいいのか?、または保険も付けたいのか?、インスペクションの内容や瑕疵保険の期間や金額等、自分にあったものを選択して安心できる取引につなげてください。
住宅インスペクションの検査箇所
構造体力上の主要な部分、雨水の侵入を防止する部分、給排水管路を検査します。
築20年以上の木造住宅でも 瑕疵保険付で税制優遇も
2013年の税制改正で、中古住宅取得にかかる税制特例の適用条件に、既存住宅売買瑕疵保険の付保が追加となり、築20年以上の木造住宅でも、住宅ローン減税や登録免許税の軽減など、特別措置を受けられるようになりました。これは中古住宅購入者にとってはとても大きなメリット。最近では、減税を受けるために保険を付保したい、といったお問い合わせも増えています。
まとめ
いかがだっただろうか。第三者目線での評価で安心して中古住宅の購入を進められる「住宅インスペクション」。中古住宅を検討しているあなたは、ぜひ検討してみよう。