前橋・高崎
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仕事で忙しいKさん夫妻が大切にしたのは、ゆっくり過ごすための「こうしたい」。夜はウイスキーボトルが並ぶ造作の棚を前に、今夜の一杯をどれにしようか、ひと思案。黒いタイルと間接照明でまとめたキッチンはバーのような雰囲気で、昼間の疲れを癒してくれる。浴室には坪庭を併設。一般的な浴室にはないゆとりとリラックス効果がもたらされ、夏場は人目を気にせず体を冷ますことができる。最もうれしかったのは、LDKの開放感。大胆に開かれた南側にはウッドデッキと庭が続き、休みの日にはバーベキューを楽しむことも多いそう。落ち着いたら、野菜づくりに本腰を入れる予定だ。
展示場を巡ってもトキメキに出会えずにいたKさん夫妻。建築関係の仕事をするお父さまの紹介で『藤井建築事務所』が建てた家を見学し、「ここなら」という確信が持てたと話す。モダンさと開放感が絶妙にブレンドされたその家は、「家はこうでなくてはならない」という常識を取り払ってくれた。予算内でできる限りのことを、という姿勢も頼もしく感じたと当初を振り返る。
「要望の先をいく提案」を心掛けている藤井さんが、K邸に施したプラスαは、印象的な玄関ホールにとどまらない。用途を限定しないファミリースペースに10畳もの広さを割き、浴室は2階へ。ご主人が「最初は驚いた」という提案も、藤井さんの意図を聞くとその〝個性〟が気に入ったという。満足度の高い理由は、デザインが利便性や経済性にまで行き届いているから。光と風を活かし、家事のしやすさにも配慮された設計は、未来にまでうれしさを届けてくれる。もうすぐ生まれる子どもが成長したときに、改めて発見する〝満足〟も多そうだ。
明るい光が降り注ぐ玄関ホール。白い壁とスケルトン階段が爽やかさと開放感を増している
上部の窓からの光が北側の和室まで運ばれる。完全な吹き抜けにするのではなく、天井を部分的に高くすることで、光熱費にも配慮。窓の向こうにはアウトドアリビングとして機能するウッドデッキも
坪庭のある浴室では、露天風呂感覚でバスタイムを楽しめる。提案を採用して正解だった
スクエアなフォルムと窓の配置が住まい手のセンスを伝える外観
2階ファミリースペースは多彩な役割。大きくつくった子ども部屋を分けるのではなく、必要に応じて閉じるという発想
和室は一段高くし、役割を穏やかに分割。吊り押し入れが広さと明るさをもたらす
玄関ホールのニッチ。背面のタイルと照明が、空間のアクセントとしての役割を強めている
キッチンは黒のタイルでメリハリをつけ、非日常感を演出。お酒をディスプレイする棚にも照明を施してもらった
吉田町出身。静岡大学工学部卒業後、医療用具メーカーにて製造マシンの設計・製作に従事。ある事故をきっかけに、“うれしさの近くにある仕事”をと考え、2002年にデイクリップをスタート。