前橋・高崎
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広い玄関ホールの大きなガラス越しに目に飛び込んでくるのは、庭の木立。新緑や紅葉、冬枯れでさえも、四季を伝える自然の表情には、慌ただしい日常にひとときの癒やしを与えてくれる優しさがある。「鳥さんがおしゃべりしてるよ」。さまざまな言葉を覚え始めた長女からは、朝の挨拶とともにこんな言葉も聞かれるようになった。植栽には実のなる木も。熟したおいしい果実を一番に食べるのは、鳥と人との知恵比べになりそうな予感…。
実家はお寺という奥さま。京都から呼び寄せる庭師が丹精込めて手入れする、格式高い3つの日本庭園は特別な空間だった。「そんな環境で育ったので、家を建てるなら小さくても絶対に庭が欲しかったんです」と話す。住職のお父さまは教員でもあり、家は檀家さんや教え子たちが集まっていつも賑やかだったそう。
この家を建てる前は、分譲マンションで暮らしていたSさん一家。リビングは広かったものの、窓から緑を臨むことはなかった。走り回って遊びたい娘には、周囲への迷惑を考えて我慢を強いることも。そんな中、自分の幼少期を思い返し、娘にも自由にのびのびと遊び、自然に触れられる環境を与えたいと夫婦で相談。ご主人のご両親と同居する完全分離型の二世帯住宅を建てることに。子世帯のプランニングは好きにしていいよという、羨ましいほど優しいご主人にも相談しながら、奥さまの好きなものばかりを集めた、子どもを見守る大人の住まいが完成した。
カフェ風のダイニングキッチンには、憧れだった北欧家具を揃え、広々としたリビングには座り心地のよさに一目惚れしたソファを。「これを機に、いい物を長く大切に使いたい気持ちも芽生えて」と、暮らしに対する意識も変わったという。夫婦ともに家で持ち帰り仕事をすることもあるが、仕事道具を広げるのは、書斎や家事室だけ。そんなルールも、家族の癒やしの時間と空間を大切にする、ちょっとした秘訣なのかもしれない。
実は奥さまも教員で、春から職場に復帰する。これからは、子どもを連れたママ友に加え、教え子たちも気軽に集う賑やかな時間が増えそうだ。
庭を眺める特等席は、なんといってもウッドデッキ。日だまりの中で、花や木々に集まる鳥たちの様子を眺めるのが日常の一コマに。植栽は、四季折々楽しめるよう種類を選定。ブルーベリーなどもあるため、実りの季節が待ち遠しい。背の高い樹木の緑は、2階のリビングにも癒やしを与えてくれる
通りからの視線を遮りつつ、風と光を家の中に招き入れる
木の温もりにアイアンブラックのシャープな素材感をプラスし、大人の空間に仕上げたダイニング。家の中から緑が臨める庭と、子どもの友だちが集まっても自由に遊べるゆったりリビングが自慢
リビングの大きな窓やデッキからは明るい日差しが届く。緑が見える窓辺は子どももお気に入り
ランドリールームの一画に設けた奥さまの家事室。洗濯物を畳んだり、仕事に集中したり
夫妻と3歳の長女の3人家族。新居で暮らし始めてからは、家で過ごすことが多くなったそう。心地いい暮らしのためには収納と動線も大事という奥さま。整理整頓も工夫し、春からの職場復帰に備えている。