同じような建物なのに「この家のほうが好き」と感じることがあるのには、確かな理由が存在する。例えば、屋根の角度の微妙な違い。例えば、素材が生む味わいの差。サーファーズハウスを手がける会社は他にもあったが、一棟一棟に込められたこだわりの強さと実績の多さに、『富士ホームズデザイン』への依頼を決めた。漠然としたイメージから具体的な要望まで、「こちらの思いをとらえ、最適なプランへと導いてくれた」とご主人。間取りはオープンなLDKを中心に、ひと続きのデッキが季節の風を運び、吹き抜けがつながりを生む。そこにアウトドア用品を収納するシューズクロークや、女性設計士ならではの家事ラク動線が盛り込まれ、暮らしやすさを高めている。デザインは存在感ある既存家具がフィットするよう、ヘリンボーンの床を生かすシンプルなスタイル。粗めに塗った天井と直営ショップで選んだ照明によって添えられたマリンテイストも、イメージ通りの仕上がりとなった。本物感と自分たちらしさが調和する家には、ありきたりの家にはない喜びが満ちている。