前橋・高崎
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奥さまにとって「いずれは地元に帰りたい」と言う人は、ちょっと不思議な存在だったらしい。ご主人もそのひとり。「私は茨城の出身なんですけど、そんな風に思ったことは一度もなかったので、この人の地元はどれだけ良いところなのかなぁと(笑)」。でも、この土地に暮らし始めてからすぐに「遊びにおいでよ」と知人を誘いたくなったという奥さま。自然が豊かで風光明媚。人が温かい。食べ物…特に野菜がおいしいということも理由に挙げた。ご主人の実家は、箱根西麓で代々続く農家。都会で暮らしていたころ、定期的に届けられる野菜の味にノックアウトされたのだそう。いつかは家庭菜園に挑戦したいという思いもあり、新居は庭と畑を設けた優良田園住宅を選んだ。
家庭菜園での収穫と実家から届けられる野菜は、家族だけでは食べきれないほど。料理好きの奥さまが“最高傑作”と話す自慢のキッチンは、必要な物にすぐに手が届くコックピットのよう。こだわりと機能性がぎっしりと詰め込まれている。干し野菜やピクルス、ぬか漬けなど、ここでの保存食づくりもすっかり日課となり、初夏の梅仕事も楽しみにしているという。もちろん毎日の食卓も野菜たっぷり。子育てに追われる今は、ワンプレートにして出すのが定番だとか。
庭は奥さまの気持ちにも大きな変化をもたらした。長女の時に体験した緊張の公園デビュー。ママ友も作らなくちゃという謎のプレッシャーから、近くの公園にも“がんばって”出かけていた。新居ではそんなストレスからも解放された。庭で近所の子どもたちも一緒に遊び、人との繋がりがとても自然なものになったからだ。
庭が社交の場なら、家は家族の団らんのためのもの。LDK+大きなロフトというつくりは、家族が必然的にリビングに集まる家にという希望を叶えたもの。結婚してから夫婦でよくキャンプに出かけたというが、「結果的にこの家自体がテントみたいになりました」と奥さま。日中は外=庭で過ごし、夜はテント=家の中へ。毎日が豊かな自然の中での暮らしそのものだ。地元に帰って家を建てると心に決めていたご主人の気持ちがわかった気がした。
シンメトリーの白い三角屋根が目を引く外観は、まるで森の中の教会のような清らかな佇まい。南面に開いた玄関が、あたたかな日差しとおだやかな風を家の中へと招き入れる。東側の家庭菜園や、テントも張れるほど広い庭と、自然と思い切りふれあえる暮らしの中で、子どもたちはのびのびと健やかに育っていく
大きな三角屋根の半分は吹き抜け。家の南北がガラス張りになっているため、朝、自然の光が目覚めを誘う。杉の無垢材とモルタル、アイアンを使った、裸足で過ごせる家は素材の経年変化も楽しみだ。壁面はすべて、構造体のパネルを活用したオープンシェルフになっている
オープンシェルフが使いやすいキッチンは奥さまの城。背面は回遊できる大容量のパントリー
キッチンと洗面脱衣所の間はファミリークローゼット
2階の寝室。将来は子どものスペースに
長女の幼稚園入園を機に、それまで暮らしていた湘南からご主人の地元に戻り、家を建てることに。長男も誕生し、愛犬、愛猫と賑やかに暮らす。庭づくりは現在進行中。テントも張れるように整備する予定。