前橋・高崎
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玄関のドアが開くやいなや、3頭の大型犬がいっせいに駆け寄ってお客さんをお出迎え。ひとしきり体の匂いをかぐと、満足してすっと離れていく。この家を訪れた人が必ず受ける、犬たちによる洗礼だ。靴をきちんと揃えて置いても、犬たちがわーっと集まった時に散らかってしまうからと、あえて玄関の外で靴を脱ぐスタイルに。「犬が嫌いな人はうちに来られないんですよ」とご主人は笑うが、奥さまいわく、犬が嫌いだった人が、N家に遊びに来て犬好きになったというエピソードも。
子どもの頃から犬が身近にいたご主人が、大人になって「自分で飼うならこの犬」と選んだのが、黒い短毛に赤茶のタンが入ったロットワイラー。欧米に愛好家が多く、ドイツでは警察犬としても活躍している、非常に賢い犬種だ。その後、奥さまがブリーダーから紹介されたピットブルの兄弟を迎え入れたが、その当時は小型犬のみOKの借家住まい。そこで愛犬たちと一緒に快適に暮らせる家を建てることにしたのだという。
ワンちゃんたちが自由に歩き回るLDKの床は、フレキシブルボードという耐水性のある素材。「たまに犬が粗相をしたり、よだれを垂らしたりしても、拭けばすぐきれいになるので助かります」と、奥さまも嬉しそう。南側の掃き出し窓の外には中庭があり、ワンちゃんたちは家の中と外を自由に行き来する。床にごろりと寝そべったり、庭に野良猫が入ってこないか見張ったり、階段下の小部屋に入ったり、それぞれが好きなように過ごしている。
運動量が必要な大型犬だけに、朝夕の散歩は必須。朝はご主人と奥さまがふたりで3頭を、夕方はご主人が1頭ずつ連れ出す。浴室には中庭に通じる出入り口があり、散歩から帰ったら浴室で足を洗って室内へ。お客さんが1頭のアタマをなでると、他の犬が不満げに鳴き出し「なでてって言ってる」と奥さま。おやつ担当の長男がチーズを手に取ると、めざとく見つけて集まってくる。「すわれ」と言う長男の声に素直に従う犬たち。そんな様子をご主人と奥さまがあたたかい眼差しで見つめる。3人と3頭ののびやかで自由な暮らしは、まだ始まったばかりだ。
開放的でダイナミックな吹き抜けのLDK。人の往来が多い周囲からの視線を遮るため、東西はあえて閉じ、南北に大きな窓を設けて明るさと通風を確保した。南側には中庭があり、ご主人がDIYした大きな犬小屋も。庭は芝生を敷く案もあったが、愛犬たちが掘り起こしてしまうのを防ぐため、元々あったアスファルトをそのまま活かしている
存在感のあるカウンターテーブルは、奥さまが大工の友人と一緒に製作したもの
玄関上はすのこ床のフリースペース。吹抜けを薪ストーブの煙突が通る
海風から愛車を守るインナーガレージ。内装はクリーム色の車体が映えるブルー
シルバー系の外壁に木目調のドアがアクセント
階段下を愛犬たちの居場所に。居心地が良いのか、自分から入ってくつろいでいるそう
ロットワイラー(奥)と、ピットブル(手前2頭)。幼少の頃から一緒に暮らす長男とも仲良し
ご主人が子犬の頃からきちんとしつけた犬たちは、家族に従順で客人にもフレンドリー。ご主人・奥さまともDIYが得意で、塗り壁の仕上げや家具づくりに参加したそう。
(株)アルバイトタイムス、(有)ディー・クラフトを経て2003年独立。住宅、グルメ、シニア向け記事を中心に取材・執筆。「イエタテ」では、素敵なおうちとハッピーな家族との出会いが何より楽しみです!