前橋・高崎
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建築家というと、デザイン優先で住みにくい、意見を押し付けられそう、設計料が高そう……などのイメージがあるかもしれない。林さんは建築家の「作品」をつくることはしない。人生最大の買い物を託してくれた施主さんにとことん寄り添い、こだわりや要望をすべて受け止めた上で、住宅建築のプロとしての提案をしてくれる。デザインは今だけでなく、未来のライフスタイルにも対応しやすいよう、できるだけシンプルに、が基本。心地よい空間をつくるためにいつも大切に考えているのは、「広がり感」「抜け感」といった開放感だ。どんな狭小地や変形地でも、設計力によってその土地が持つポテンシャルを最大限に引き出し、ハンディを長所に変えてしまう。良い意味で施主さんの“期待を裏切る”住まいを提案してくれる、それが林さんという建築家だ。
大都市のアトリエ系建築家は、ただ図面を描くだけで、施工と現場管理は工務店にすべてお任せという人も少なくない。建築家と現場のコミュニケーションが取れていないと、仕上がりに問題が生まれて、時には欠陥住宅となり、最悪の場合は訴訟問題に発展することもある。林さんは週に何度も現場を訪れ、現場監督と打合せをしながら大工や職人に直接指示も出すので、住み始めてから「こんなはずじゃなかった」を回避することができる。間取りの考え方や家具の収まり、素材選びなど、林さんの設計を知り尽くしている大工しか指名しないので、阿吽の呼吸で正確に施工を進めることが可能となる。図面通りに工事が行われているか、施主さんの代理として現場を「監理」する立場にあるのが建築家である、というのが林さんのポリシーである。
資金が無尽蔵にある人は、いくらでも自分の好きなように贅を尽くした家を建てられるけれど、ほとんどの人が35年の長期住宅ローンを組み、返済できる範囲内で家づくりを考えなければならない。「施主さん・建築家・大工さんが対等の立場でないと良い家はできない」というのが林さんの持論で、限られた予算の中で、三者の誰もが我慢することなく、満足度の高い家を叶えるためにあらゆる工夫を凝らす。工務店から見積りを取り、施主さんの優先順位を思い浮かべながら、費用をかけるべきところとそうでもないところを見極めてコストをコントロール。建物の大きさ、材料の選定などを吟味して、施主さんをがっかりさせないよう、予算内で夢をカタチにしてくれる。
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