中庭を囲むコの字型の平屋の、どこからでも見えるマキの木は実家から引き継いだシンボル。大切な記憶を取り込む新居は、家族の日常や、趣味の時間をとことん楽しめるように設計されている。いつもリビングに音楽を流し、中庭さえ会場にして、時には仲間とフェス感覚でホームパーティーを楽しむOさん。庭と自由に行き来できるLDKは、モルタル調のキッチン前に造作したカウンターテーブルや、間接照明を生かす内装がレストランバーさながら。薪ストーブのあるリビングも落ち着いた雰囲気が漂う。家族のくつろぎ時間を満喫するため、キッチン横に浴室や洗面脱衣室、ウォークインクローゼットをまとめた動線が役立つ。収納数を絞ったのは「本当に気に入ったものを身の回りに置きたい」からだという。大好きなグレーを基調としたコンパクトな平屋に、旧家の記憶を残しながら、北欧の家具や照明を取り入れたゆとりのある暮らし。「大切なものだけ」に囲まれる毎日は、想像以上に幸福感に満ちていた。