前橋・高崎
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吹き抜けの解放感に憧れています。ただ、冷暖房のコストがかかると聞いたので迷っています。吹き抜けでも冷暖房費がかかりすぎないようにするにはどのような家にしたらよいですか?
私自身吹抜けリビングの住宅に住んでいます。
吹抜けが玄関にあった頃なら、さほど問題は無かったのですが最近はリビングに設置する例が多く、特にイエタテさんを始めとした雑誌には頻繁に登場します。
質問者さんのように、冷暖房費のコストは本当に気になるところです。
この質問に対する正しい回答としては、東京大学大学院前真之准教授が執筆された「エコハウスのウソ(増補改訂版)」に詳細に記載されています(是非読んでください)。その中でこのような記述があります。
「低断熱・低気密+高温暖房+吹抜けは破滅への三重奏」
この三重奏を1つずつ潰していく建築が求められます。しかし吹抜けをどうしても欲しいとなったら、断熱レベル(UA値)は静岡レベル(UA値0.87)では一般の家でも物足りないくらいですので、最低でも盛岡レベル(UA値0.56)、気密(C値)も寒冷地の2c㎡/㎡以下はほしいところです。そうでないと暖房費がかさむと思いますので、気密は確実に実測してもらいましょう。
そして、実際生活を始めると、冷暖房費以上に「温熱環境の快適さ」が気になります。真冬や真夏の一番厳しい時に、その家が快適か。長い年月を過ごすマイホームですから、よく考えた方が良いと思います。
ちなみに、イデキョウホームでは1つの回答として、期間限定ですが「全館空調モデルハウス」をご用意しています。3月26日オープンの蓼原モデルハウスはリビング吹抜けの家です。断熱レベル(UA値)は旭川札幌レベル(0.46)以下の0.45W/㎡K。こちらの家には、地元の新聞紙からできたオリジナルセルロース断熱材「富士産eco断熱」を用いています。そして14畳用ルームエアコン1台で約30坪(約60畳)の家の冷暖房を賄います(約45坪までエアコン1台で可能)。床下にも空調した空気が回るので、冬でも足元も暖かく、365日家中20℃台になり、年間冷暖房費は5万円程度です。ZEH(ゼロエネ)にも対応しているエコハウスです。
いろいろな解決策もあるとは思いますが、「イニシャルコスト」「ランニングコスト」「快適性」まで考えると、自分で住んでいておススメです。
吹抜けは、夏の冷房には冷房費の節約になりますが、逆に冬の暖房には暖気が上部へ逃げてしまい、不利になります。
添付した写真は当社モデルハウスの吹抜け部写真ですが、開閉式の扉をつけた計画としました。
このような方法も対策の一つとして考えられます。
吹き抜けの開放感いいですよね。 当社の施工物件の半数に吹き抜けがありますが、冷暖房コストに困っていると言うクレームはありません。
(当社吹き抜けのある家事例集はこちら→ http://www.diyhome.co.jp/taxo_sekou/fukinuke/)
冷暖房にコストが掛かる事を、2つの側面に分けて考えてみたいと思います。
① リビングなどに設けた吹き抜けから冷たい空気が流れてきて暖房コストがかかってしまう。
② 吹き抜けのある部屋はその部屋の体積が大きいため、冷暖房コストがかかってしまう。
①の場合、気密性能を上げることで解消できます。最低でもC値が1.0c㎡/㎡以下、出来れば0.5c㎡/㎡以下が好ましいです。気密性能の高い家ですと吹き抜けのある部屋の床と天井の温度差を2℃以内にすることができます。 また、天井扇があればほぼ温度差ゼロの空間にすることも可能です。
②の場合、断熱性能を高めた家であれば、冷暖房コストを低減できます。 部屋の大きさに対して暖める(冷やす)空気の冷える(暖まる)スピードが早いため暖房(冷房)を強力に運転してしまい、結果としてエネルギーをたくさん使ってしまうからです。 高い断熱性能の目安としてはUA値が0.4W/㎡K以下が推奨されます。
2つの側面から吹き抜けのある家の冷暖房エネルギーについて考えてみましたが、①と②共に性能アップさせればより良い効果が得られます。①は超高気密、②は超高断熱です。これからの家は家全体を暖める全館暖房が主流になっていきます。 家中どこでも暖かい家では、吹き抜けがあろうと大きな土間があろうと冷暖房が効き、しかもコストも以前と変わらない家になります。また、そのような家が求められています。 ですから、これからお建てになるなら超高気密・超高断熱の家をお勧めします。
吹抜けは質問者様のおっしゃる通り体積が大きくなるので、冷暖房費(特に暖房費)は上がる方向になる事があります。
ただし、【気密性断熱性の優れた住宅 + パッシブ設計(自然の力を利用した設計)】を採用することで、吹抜けがあることにより、逆に冷暖房費は下がる家を建てることができます。
・冬は吹抜けを利用して太陽の温かさをたくさん取り入れて、床や壁に温度を蓄熱して夜までその温かさを維持する断熱性能の高い家。
・夏は吹抜けを利用して熱くなった空気を高い位置で排出する家。
これからの時代、吹抜けの有り無しに関わらず、断熱性能の高い家を建てる事が『お金・快適性・健康』の面からも大事だと思います。断熱性能を比較検討するには、車の燃費と同じようにUA値という数字で比べる事ができます。このUA値は低いほど断熱性能が高い家になります。もし仮にUA値0という家があったとすると、究極の魔法瓶で熱が一切出ないという事になります。(UA値0の家は存在しませんが(^_^;) )私のお勧めはUA値0.6W㎡/K以下の家が良いと思います。
あとは吹抜けでより快適性を求めるのでしたら、リビングに床暖房もいいと思います。
良い家を建てると冬場でもエアコンが一切いらない家ができます。
エアコンは空気が乾燥したり、光熱費がかかります。新築時の最初に多少費用が上がったとしても、性能の良い家を建てるのが長い目で必ずお得になると思います。
質問者様にとって素敵なお家ができるといいですね。
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