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〜リノベーションでまちづくり〜 沼津市が掲げるリノベの可能性

更新日:2020-02-13

公開日:2017-08-31

鈴木 太可志 ライター:鈴木 太可志

〜リノベーションでまちづくり〜 沼津市が掲げるリノベの可能性

近年、行政をあげてリノベーションに取り組む自治体が増えています。私たちの地元でも静岡県では熱海市、沼津市、静岡市清水区、浜松市、愛知県三河では岡崎市、豊田市といった都市がリノベーションでまちを盛り上げようとしています。なぜ今、リノベーション×まちづくりの動きが活発になっているのでしょう?今回は沼津市にお伺いし、話を聞いてみました!

今回お話を聞いたのは

沼津市都市計画部 まちづくり政策課 住宅政策係 係長 植松 伸浩さん

植松 伸浩

昭和47年(1972年)生まれ。沼津市役所にてまちづくり関連の行政に従事。「リノベーションまちづくり」については政策開始当初から携わっている。一級建築士の資格所持。

沼津市リノベーションまちづくり

なぜ行政が「リノベーション」を推し進めるのか?

沼津市が取り組んでいる「沼津市リノベーションまちづくり」。
なぜ行政がリノベーションを推し進めているのでしょう?そこには主にふたつの理由がありました。

まず一つは空き家問題。
高齢化、人口減少に伴い、誰も住んでいない「空き家」が年々増加しています。
特に地方はその傾向が顕著です。空き家は放置すると近所迷惑になったり、景観を損ねたりするので、行政にとっても放っては置けない問題と言えます。

そして、もう一つが人口減少。
「リノベーション」と「人口減少」
一見関係の薄いように思えるこのふたつですがどのような結びつきがあるのでしょうか?

現在、沼津市に限らず多くの地方都市から首都圏への人口流出が進んでいます。
それを食い止めるためには「この街に住みたい」と思わせるような魅力的な雇用や、施設、環境を作る必要があります。
そうして「魅力的なまち」が実現できれば、一旦地元を離れた人が地元に戻ってきたり、他エリアから移り住んだりする人が増えていきます。

リノベーションはその「魅力的なまち」を作る手段なのです。

沼津市の人口推移。少子高齢化、首都圏への一極集中が進むことで20年後には3/4まで減少することが予測される
参照:沼津市リノベーションガイドライン

 

沼津市のリノベ促進取り組み

では沼津市ではどのようなことを行い、リノベーションによるまちづくりを実現しようとしているのでしょうか?

その一つに「リノベーションスクール」という取り組みがあります。
これはリノベーションによるビジネススタートアップ支援策です。

リノベーションスクールでは、参加者が空き家となっている不動産を利用した周辺の魅力・価値を高める事業プランを作り、対象の物件オーナーにプレゼンを行います。
晴れてオーナーからの了承が出た提案については、スクール後もブラッシュアップを重ねて実際の事業化に向けて動き出すことになります。

こうして少しずつでも確実に個性的で魅力のあるお店や空間が増えることで徐々にリノベーションが波及していき、まちの魅力が形成されていくことが目的としています。
この取り組みは昨年から始まった取り組みですが、ほとんどの案件で、事業化に向けた具体的な検討が進んでいるとのことです。

リノベーションスクールの様子
写真提供:沼津市都市計画部 まちづくり政策課 住宅政策係

リノベーションスクールを含めた、沼津市のリノベーション支援の構造
参照:沼津市リノベーションガイドライン

 

リノベーションは一般の居住予定者にもメリットが

リノベーションは、ビジネスオーナーだけでなく実際に沼津に住もうとする方にもメリットがあります。
まず一つは「住みたいところに住む」ことができることです。

沼津は現状、売りに出ている土地が豊富にあるわけではなく、
特に沼津駅付近の街中では「本当は街中に住みたいけど…」という人も、なかなか土地が見つからないといいます。

しかし一方で下の表でもわかるように、沼津の中心地には空き家が多くあります。

参照:沼津市リノベーションガイドライン

平成25年のデータでは約15,000戸の空き家があり、現在も増え続けています。
空き家率で見ても15.9%と、全国平均(13.5%)と比較しても高い数値です。

つまり空いている土地は少ないが、空いている家なら多いということです。
「中古住宅購入×リノベーション」という選択肢があれば、自分が望む土地に住むことができる可能性は格段に上がります。

そしてもう一つ、「自分たちの個性を表現できる」点も大きなメリットです。
例えば中古住宅×リノベーションであれば、「費用を抑えるために2階はそのままで1階だけフルリノベーション」だったり、「一部は自分たちでDIYする」といった選択もできます。
「理想の土地を求めるために、注文住宅を諦めて建売を買う」という方にも、理想の土地で自分たちの個性を求めるという選択を提供することも可能です。

DIYが流行している現代で「自分らしさが現れた空間を、できる限り安く手に入れる」という需要に、リノベーションは柔軟に対応できるのです。

しかし、それでもまだまだ一般的には住まいの選択肢としてあげてもらいにくいのがリノベーション。
沼津市ではその課題を解決し、リノベーション需要を喚起するために「ヌマヅのリノベ」というフリーペーパーを発行しています。

そこに書かれているのは実際にリノベーションをし、新たなライフスタイルを実現している人たちの暮らしぶり。まさにリノベーションによって個性的で魅力のある暮らしを実現している姿です。

参考ページ:沼津市のリノベーション物件/沼津市

 

リノベーションで叶える、魅力あるまちづくり

リノベーションで叶える、魅力あるまちづくり

沼津市が描く理想の将来像
参照:沼津市リノベーション推進ガイドライン(概要版)


「様々な価値観が認め合って、いい意味でごちゃっとしたまちにしたい」と語る植松さん。

住む場所
働く場所
子育てをする場所
学ぶ場所
遊ぶ場所
etc…

リノベーションによって上のような場所が多く作られ、そこには質の高い雇用と生活が生まれる。人が集まる。そして「沼津にしかない場所、沼津にしかないコンテンツ」が形成される。
それこそ沼津市がリノベーションによって実現しようとしている理想の形です。

「沼津市リノベーションまちづくり」の戦略イメージ
参照:沼津市リノベーション推進ガイドライン(概要版)



参考資料
沼津市リノベーション推進ガイドライン
http://www.city.numazu.shizuoka.jp/renovation/kaigi/guideline/guideline.pdf
沼津市リノベーション推進ガイドライン(概要版)
http://www.city.numazu.shizuoka.jp/renovation/kaigi/guideline/guideline_gaiyo.pdf

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ライターのご紹介

鈴木 太可志
しずおかオンライン
イエタテスタッフ
鈴木 太可志

web・フリーマガジン『イエタテ』や『家を建てるときに読む本』の編集担当。

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