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空き家を減らすための取り組み「静岡県空き家の無料相談会」って?

公開日:2018-10-30

鈴木 太可志 ライター:鈴木 太可志

空き家を減らすための取り組み「静岡県空き家の無料相談会」って?

年々増加している住宅の空き家。特に地方では都市部への移住などから全く管理されない危険な空き家が増え続け、問題となっております。静岡県では、その問題を解決すべく「静岡県空き家の無料相談会」という取り組みを定期的に開催中。今回はその相談会にお邪魔して、静岡県の空き家の現状や取り組み内容をお聞きしてきました!

今回お話を聞いたのは

静岡県くらし・環境部 建築住宅局 住まいづくり課 計画班 主任 渡邉 啓太郎さん

渡邉 啓太郎

平成23年度静岡県庁に入庁。平成30年度より住まいづくり課に異動。住宅整備に関する計画策定や、高齢化に伴う住まいの対策、住宅の長寿命化など幅広い役割を担う部署において、特に空き家対策をメインに担当している。

なぜ、空き家を減らさないといけないの?

そもそも、なぜ静岡県がこのような取り組みを行っているのか?
背景には静岡県に限らない、日本全国で起きている「空き家の増加」問題が紐づいています。

2013年時点で空き家は日本全国で約820万戸、静岡県では約27万戸存在し、住宅総数に占める割合としては全国では13.5%、静岡県ではなんと16.3%にものぼります。7軒に1軒は人が住んでいない空き家ということです。しかもこの数字も5年前のものですので、現在はさらに多くの空き家があると考えられます。

では、空き家があることの問題はなんでしょうか?
まず大きいのは老朽化による倒壊の危険性。古くなった空き家は倒壊の危険があり、例えば台風や豪雨などの災害の時はその危険性がより一層高まります。さらに、ゴミが放置されたり不法投棄がされたりと、適切な管理が行われていないことで景観や周辺の生活環境の悪化にも繋がります。これらのような特に問題のある空き家を「特定空家」と呼び、静岡県では80棟ほどあります。
また、放火も問題の一つです。実は放火は火災が起きる原因の第一位。特に空き家は管理する人もいないので狙われやすいのです。

手入れがされない空き家は耐久性が脆く、少しのきっかけで倒壊になる可能性も。さらには放火、不法侵入、不法投棄等、犯罪の温床にもなりやすい

空き家を減らすために必要な要素とは

では、空き家はどのようにしたら減るのでしょうか?
まず第一に空き家を市場に流通させないといけません。2013年時点で賃貸や売却、別荘などに利用されていない空き家は全国で318万戸。空き家の総数が820万戸でしたので割合にして約4割が、市場に流通されていない空き家ということです。

市場に流通させたら次は買い手を探す必要があります。この時にネックになるのは「中古物件=不安」というイメージ。しかし近年では、インスペクションという中古住宅の状況診断が普及し、その面も薄れつつあります。インスペクションについては下記の記事でも具体的に説明しているので、参考にしてみてください。

「住宅インスペクション(住まいの健康診断)」の現場では、どんなことが行われているのか?
https://www.sumailab.net/column/theme/2/article/41/

中古住宅購入前には住まいの健康診断「住宅インスペクション」を!
https://www.sumailab.net/column/theme/2/article/15/

空き家相談のワンストップサービス

空き家相談のワンストップサービス

今回取材させていただいた「静岡県空き家の無料相談会」には、「売りに出したい」「相続登記がわからない」「解体したい」「リフォームしたい」などなど、一言で「空き家」と言ってもそれぞれ、多種多様な悩みを持ったが方が相談にきます。

相談会内では
・宅建士
・建築士
・税理士
・司法書士
・行政(今回は静岡県と藤枝市)
と相談の内容や目的によって、複数の専門家が関わるような内容でも同じ日にワンストップで相談することができます。
もちろん、「空き家を相続したんだけど、どうすれば良いかもわからない」というざっくりとした相談でもOK。まずは行政によるヒアリングを行い、その後目的に適したプロのもとに案内をしてくれます。

今年で3年目になるこちらの相談会。今回は藤枝市役所で行っている相談会にお邪魔させていただきましたが、他にも熱海、三島、焼津、御前崎、菊川、森町、磐田、浜松と計9箇所で開催されています。

相談の様子。まずは行政の方から現状についてヒアリングを行い、その後適切な相談先に案内してくれる

中古住宅+リノベーションで家づくりの選択肢は大きく広がる

行政としては空き家の問題は早急に取り組むべき問題です。
ただやはり「空き家を買おう!」と考える人はまだまだ少ないのが現状。流通させても結果的に売れ残り続けては意味はありません。

では空き家を買うメリットは何でしょうか?
中古物件の良いところはまず、その後の住まいの幅が広がること。例えば質のいい木を使っている家であれば、それを利用し古民家風のリノベーションができますし、ワンポイントでアンティーク調の建具を取り入れるなどのデザインの工夫もしやすくなります。また、「1階は間取りなどからフルリノベーションするが、2階は壁紙を替える等の簡単な手直しだけ」といった予算に合わせて節約もできます。
さらに、土地の面でも中古住宅付きの不動産を選択肢に入れることで、自分たちの理想にあう土地が見つかる可能性は増えることもメリットの一つと言えます。

先にも述べたとおり、「中古物件=不安」というイメージはインスペクションを行う(またはインスペクションを行った物件を探す)ことで、大きく解消できます。ぜひ皆さんも新しい住まいを検討する時には新築だけでなく中古住宅+リノベーションという選択も視野に入れて検討してみてください。

''いい家''を作ろう

新築を建てるにしても、中古住宅を買いリノベーションをするにしても、しっかりと考えていただきたいことはその家を手放すときのこと。家は住み始めたときから資産価値が下がっていきますが、いざ売ろうとなった時に資産価値として全く残っていない家となってしまったら、次の人に住み継ぐことも難しくなります。当然、売値としても高く売ることはできません。大切なことは資産価値として残る''いい家''を作ること。そうして次の人に住み継がれ、地域から空き家が減っていく一歩になるのです。

ライターのご紹介

鈴木 太可志
しずおかオンライン
イエタテスタッフ
鈴木 太可志

web・フリーマガジン『イエタテ』や『家を建てるときに読む本』の編集担当。

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