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静岡県産の木材で家を建てよう!「住んでよし しずおか木の家推進事業」補助金制度

公開日:2019-06-05

鈴木 太可志 ライター:鈴木 太可志

静岡県産の木材で家を建てよう!「住んでよし しずおか木の家推進事業」補助金制度

静岡県に住んでいるなら、家を建てたり、リフォームしたりするときに、静岡県産の木材が使えたらいいですよね! でも高そうだな……。なんて思っていませんか? 今年も静岡県産の木材を使って家を建てる方を対象とした、 静岡県の補助金制度「住んでよし しずおか木の家推進事業」があります。 この制度ができた背景や静岡県産の木材の魅力について、 静岡県庁の木田さんにお話を伺いました。

今回お話を聞いたのは

静岡県経済産業部森林・林業局 林業振興課 県産材利用班 技師 木田 友貴奈さん

木田 友貴奈

大学で林学を学び、平成27年に林業職で入庁。平成30年から現職。林業に関する幅広い知識を持ち、林業経営体の技術・経営指導、治山事業の設計・積算、施工管理などをする「技師」。担当業務は「住んでよし しずおか木の家推進事業」や「しずおか優良木材」に関すること、静岡県産材の販路拡大に関することなど。

話をしてくれた人:木田友貴奈さん(以下:木田)
インタビュアー:イエタテスタッフ中野(以下:中野)

ー木田ー
「静岡県の森林面積は、県土の65%を占める50万haもあるのをご存知ですか?
その約半分が、スギ・ヒノキの人工林で、そのうちの9割が今、木材として利用可能な時期を迎えているんです。しかもその量は、毎年まだまだ増え続けているんですよ!」


ー中野ー
「静岡県って、木材の一大産地だったのですね。しかも今、その多くが利用可能な時期を迎えているとは!」


ー木田ー
「静岡県では今、その利用可能な時期を迎えている県産材を、一般住宅の建設時に利用してもらうことに、とても力を入れているんです。」


一本の木が住宅の柱に使えるようになるまでにかかる時間は、およそ45年。
静岡では、戦後一斉に造林が進んだそうで、45年以上前に先人が、未来の私達のために植えてくれた木が、今伐採の時期を迎えているなんて、なんだか感動してしまいますね。

しかも静岡県の森林は、「森林認証制度」という、国際的に認められた基準で適正に管理されている認証林が6.7万haもあり、全国4位の規模なのだそう。(平成31年3月時点)

「森林認証制度」には「FSC」「SGEC」など数種類の制度があり、独立した第三者機関が環境・経済・社会の3つの側面から一定の基準をもとに、適切な森林経営が行われている森林または経営組織などを認証しています。
その森林から生産された木材・木材製品には、認証マークがつけられます。


ー木田ー
このマークは、身近なところだと、コーヒーチェーンの紙袋の裏や、お菓子のパッケージなどで発見できます。
世界基準で管理された、出所のしっかりした木材から作られた紙であるという証なので、意識の高い企業では、このマークのついた製品を取り入れているんですよ。」

静岡県では、このような世界基準の認証林から生産された「森林認証材」をはじめ、『品質の確かな木材』を提供することを推進しているそう。


ー木田ー
「出所のわからない木は、違法伐採された木材という可能性もあります。木材の乾き具合の管理が徹底されていないと、家を建てた後に水がぬけて寸法が変わり、ドアが開きにくくなってしまうことも。
「住んでよし しずおかの木の家推進事業」で助成の対象としている「しずおか優良木材」やJAS製品は、合法性と品質が保証されています。
大型の乾燥機でしっかりと乾燥させ、強度もチェックされているから、住宅を建てる時も、安心して使用できるんですよ」


ー中野ー
「森林認証材」に、しずおか優良木材やJAS製品・・・。
静岡県には、優秀なエリート的木材が流通しているんですね!
その優秀な木材になる木が、今大量に伐採の時期を迎えているのです。これは県民が使わないわけにはいきません!」


ここ数年の間に建てられた「草薙総合運動場体育館(このはなアリーナ)」や「静岡県富士山世界遺産センター」「日本平夢テラス」などの大型建築物でも、ふんだんに静岡県産の木材が使われています。
たっぷりと木材を使った大型建築は、ダイナミックかつしなやかで素敵ですよね。
こちらも県産材の利用推進の一つの取り組みなのです。

2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックの選手村ビレッジプラザでも、静岡県産の「森林
認証材」が使われるそうです。

県産材を利用してもらうことのメリットは、林業の振興、地域経済の活性化、洪水や土砂くずれの防止などにもつながる、ということもあります。


ー木田ー
「県産材をどんどん使ってもらわないと、山で作業する人がいなくなり、山の管理ができなくなります。
すると先人が築き上げてきた林業を衰退させてしまうことはもちろんのこと、管理されない山は、伐られずに育った木が混み合い、地面に光が届かなくなり、下草が生えず、木も根もヒョロヒョロの暗い山になります。こうなると、山が雨水を貯める力が弱まり、雨が降ると一気に水が川に流れ込んでしまったり、土砂くずれが起きてしまったり。草が無いと、生き物も住めなくなってしまいます。」


木材が育つということは、二酸化炭素を減らし、地球温暖化の防止にもつながるそう。


ー木田ー
「木は光合成時に二酸化炭素を吸収します。育ち盛りの木は特に多くの二酸化炭素を必要とするので、木を植えるだけで二酸化炭素を減らすことにつながります。
しかも木材というのは、住宅の一部として利用されている間も、二酸化炭素を固定し続け、増やすことは決してないんですよ。」



ー中野ー
「木という再生可能な資源を地域で利用することで、循環型社会の形成にもつながるんですね。」


ー木田ー
「森林は循環することが大切なんです。だからどんどん静岡県産の木材を使っていただき、また新しい森林を育てていきたいんです。」

ー中野ー
「しかし実際に家づくりする方にとって、気になるのは、金額面。静岡県産材を使った家づくりは、高くなるケースが多いのでは?」


ー木田ー
「必ずしもそうとは言えませんが、少しでもお得に、そして多くの方に県産材を使っていただけるよう、この補助金制度をご用意しました。新築では最大30万円支給されますので、ぜひご利用ください。リフォームなら一部屋分のフローリング材でも、対象になることがありますのでお気軽に。
静岡県産材の家は、健康的で気持ちがいいですよ。」

静岡市や浜松市など「市町」単位で独自の助成制度があることも。併用は可能なのだそう。
お住まいの市町村にもあるかもしれないので、ホームページなどでチェックを。

最後に木田さんより

「地元の木を使うことは、環境にやさしいのはもちろんのこと、地域経済の活性化、さらには地元の森林を守り、育て、活かすことにつながります。家づくりをするときに、ぜひ静岡県産材を使うという視点を取り入れてみてくださいね。」

■助成金をもらうために必要な条件

(1)自らが居住するために、静岡県内で住宅を新築、増改築、リフォームすること。
(2)しずおか優良木材等を使った部分の施工完了が2020年3月8日以前であること。
(3)施工者は、県内に事業所又は営業所を有する建築業者等であること。
(4)設計者又は施工者が「しずおか木の家推進事業者」であること。
(5) アンケートや住宅見学会開催に協力できること。
(6) 施工者の製品購入先が静岡県産材証明制度により産地を証明でき、合法性を証明できる業者であること。
(7) 使用する木材のうち、50%以上がしずおか優良木材等であること。【新築・増改築のみ】
(8) 仕上材にしずおか優良木材等を10㎡以上使用すること。【リフォームのみ】
※詳細・応募方法は、ホームページにてご確認ください。



■お問合せ先

●静岡県ホームページ
「平成31年度住んでよししずおか木の家推進事業」

http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-380/sundeyoshi.html

●静岡県森林組合連合会ホームページ
「2019年度 住んでよししずおか木の家推進事について」

http://www.s-kenmori.net/swood/oshirase/

ライターのご紹介

鈴木 太可志
しずおかオンライン
イエタテスタッフ
鈴木 太可志

web・フリーマガジン『イエタテ』や『家を建てるときに読む本』の編集担当。

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