家づくりのこだわりをうまくまとめる3つのコツを紹介
家づくりのこだわり整理に必要なのは、過去と現在を振り返り、将来の姿を思い描くこと。それを家族と共有しながらまとめていきます。
【こだわりをまとめるコツ①】まずは理想の暮らしをイメージする
「どんな暮らしがしたいのか」を自由にイメージ
理想の家を考えることは、「どのように暮らしたいのか」「どんな風に生きていきたいのか」を考えることとも言えます。
まずは予算や土地などの条件にとらわれず、どんな空間でどのような暮らしがしたいかを思い描いてみましょう。
実現できるかどうかはひとまず考えず、自由に楽しく、イメージを膨らませてみましょう。
心動かされた空間や時間、景色を思い返してみる
自由にといっても、いざ考え出してみると、理想や希望が思い浮かばないことも。
そんなときは、これまでの人生や生活のなかで「心地よい」「幸せ」と感じたことを思い出してみましょう。
例えば、実家で家族と暮らした思い出、リフレッシュしたいときにひとりで訪れるカフェでの時間、旅行先で見た美しい景色、夫婦みずいらずで過ごす晩酌のひととき。
これまでに体験した「心地よさ」を振り返ることで、自分にとっての理想の暮らしが見えてきます。
家族みんなで話してみる
「ママは和モダンな外観がいいな」
「パパは広いキッチンで、みんなで料理がしたい」
「わたしは庭でお花を育てたい」
「ぼくは自分の部屋がほしい」
など、家族全員で、それぞれのこだわりを口にしあってみるのもよいでしょう。
一人で考えているときはぼんやりしていたイメージも、家族みんなで話しているうちに、「我が家のこだわり」として具体化されていきます。
【こだわりをまとめるコツ②】今の家の不満や便利な点を洗い出す
日ごろ感じている、今の家の問題点は？
今住んでいる家について感じていることを思い返してみるのも、理想の家をイメージする大きなヒントになります。
収納スペースが狭い、風通しが悪い、部屋干しをする場所がないといったスペースの問題から、電源が少ない、窓が重くて開けづらいなど小さなことまで、日ごろ不満に感じていることを、大小問わず、たくさん挙げてみましょう。
今の住まいで気に入っているところは？
不便なところだけでなく、今住んでいる家の便利な部分もあるはず。
駐車スペースが広くて停めやすい、セキュリティがしっかりしているから安心感があるなど、お気に入りのポイントも挙げてみましょう。
今の住まいの不便さを解消し、気に入っている点を生かすことこそ、これから建てる家に対する具体的な「要望」といえます。
将来についてもイメージしておく
これから建てる家で長く快適に過ごすために忘れてはいけないのが、将来の暮らしをイメージすること。
子どもの進学や就職、自身の老後の暮らし方、親との同居の可能性など、今の暮らしだけでなく、10年・20年先の暮らしも見据えておきましょう。
未来の暮らしと家族の姿をイメージすることで、生活スタイルの変化に合わせたリフォームや間取りの変更を想定した、先々まで心地よく暮らせる家づくりにつながります。
【こだわりをまとめるコツ③】家族の意見は書き出しておく
こだわりやイメージは項目別に整理する
家族の話し合いで出てきたこだわりや理想、今の住まいの問題点・気に入っている点は、「要望整理シート」として、必ず書き出してまとめておきましょう。
まとめる際は、
●デザイン面：外観、内装、外構・造園、駐車場
●間取り：玄関、リビング、居室、収納
●設備：キッチン、トイレ、浴室、その他
のように項目別に整理すると、それぞれの空間に求めるものがはっきりしてきます。
優先順位を決めておく
予算や環境によっては、こだわりをすべて叶えることが難しい場合もあります。そんなときのために、要望に優先順位をつけておくとよいでしょう。
家族のこだわりを要望整理シートとしてまとめる際、絶対に必要なものは◎、実現できたらうれしいものは○、あったらいいけどなくても困らないものは△など、記号をつけておくのがおすすめです。
家を建てる理由・目的である、同じ意見の人が複数いる、建てたあとに変更できないものは優先順位が高く、建てたあとでも手を加えられることは優先順位が低くなるといえそうです。
家づくりの途中で迷ったときは、要望整理シートに立ち返る
家づくりは「決めること」の連続です。
土地を決め、建築を依頼する会社を決め、間取りを決め…。家づくりを進めて行く途中で何がいいかわからなくなったときは、家族の意見をまとめた要望整理シートを見返しましょう。
迷ったときや何かを決めるとき、最初に挙げたこだわりと優先順位を軸に判断すれば、ブレが生じることなく、建てたあとで後悔しない家を実現できます。
注文住宅の人気の「こだわり」ポイントは？
家づくりの先輩たちは、どんなところにこだわって、どんな家を建てたのでしょうか。「イエタテ」で紹介している新築施工例から、こだわりポイントと実際の家の写真をご紹介します。
こだわりポイント1「収納」
大容量のシューズクロークを備えた玄関収納や、キッチンが片付くパントリー、家族の衣類をまとめておけるファミリークローゼットなど、機能的な収納は快適な暮らしの支えに。
リビング収納
乱雑になりがちなリビングが、ウォークインできる収納空間でスッキリ。
玄関収納
シューズクローゼットだけでなく、パントリーも玄関に設置。買ってきた物をすぐに収納できる。
こだわりポイント2「間取り・動線」
洗う・干す・しまうが最短の手間で片付く洗濯動線、階段を中心にLDKや浴室を配する回遊動線。ライフスタイルや家族の行動を考慮した部屋の並びを工夫することで、家事の負担が軽減されます。
スマートな洗濯動線
ランドリーのドアの先には、バルコニーが続く。室内物干しも設置し、ここだけで洗濯が完結。
2階にLDKを配した間取り
採光を考慮して、LDKを2階に配置。リビングは南側の一面をガラス張りにし、開放的な空間を実現した。
こだわりポイント3「キッチン」
一面が壁に接しているペニンシュラキッチンと、どの壁にも接していないアイランドキッチン。大きく分けると2種類ですが、袖壁の付け方やレイアウトの仕方で雰囲気も使い勝手も変わります。
コの字型キッチン
ペニンシュラキッチンとダイニングテーブルがつながったカウンターテーブルには、食事時以外も家族が集う。
オープンキッチン
北欧風のシックなデザインと見せる収納で、スタイリッシュなキッチンに。
こだわりポイント4「リビング」
一角に畳スペースを設けたり、テラスとつなげて開放的な空間を作り出したりと、くつろぎ感のあるリビングが人気。スキップフロアやリビング階段で高低差をつけると、広がりのあるリビングが生まれます。
小上がりのあるリビング
リビングの一角に和室の小上がりを設置。赤ちゃんを寝かせたり子どもが遊んだりしていても、リビングから目が届きやすく安心。
段差で区切ったリビング
同じ空間でも、リビングを一段下げることでダイニングとの役割をさりげなく分けた。
こだわりポイント5「お風呂」
バスルームは、家の中でも1・2を争うリラックス空間。窓から見える景色や使用する素材で非日常を演出するほか、大きな浴槽や機能的なバスシステムなど設備を充実させるというこだわり方も。
温泉気分のバスルーム
外とのつながりを持たせた温泉宿のような浴室。1坪というサイズを感じさせない。
景色を楽しむお風呂
湯船につかりながら庭の眺めが楽しめる位置に窓を設置。お風呂好きのご主人のリクエスト。
こだわりポイント6「デザイン」
和風、洋風、モダン、インダストリアル、シック、古民家風、カフェ風、北欧風…。デザインには、家族の好みとこだわりが最も表れるといえそうです。
男前な外観
ガルバリウムの外壁とモスグリーンの塗り壁、レッドシダーの軒裏天井がクールな印象。
古民家カフェのようなLDK
古民家の欄間を活用し、シャビーなテイストのグリーンをディスプレイ。新築なのに、レトロモダンな雰囲気。
建築家と建てたリゾートライクな家
インテリアのような螺旋階段、ホテルライクなアプローチなど、リゾート感たっぷり。建築家が手掛けた家は、斬新なデザインだけでなく住み心地も満足度大。
ヴィクトリアンスタイルの輸入住宅
外観はまるでフランスのお城のよう。ブルーのパネルが映えるキッチンも輸入製品を採用。
こだわりポイント7「性能」
地震に強い家、省エネの家、冬暖かな高気密高断熱の家、風通しがよく夏涼しい家など、快適な暮らしを支えるのが家の性能。高機能な設備を取り入れるほか、住宅会社オリジナルの仕様で理想を叶えた人も。
高断熱・高気密
熱を逃がさないトリプル樹脂サッシを採用。断熱材は内断熱と外張り断熱のハイブリッドで、冷えと湿気のストレスを解消した。
床下エアコン
「冬でも暖かな家」という希望を叶えたのは、暖房用の床下エアコン。木製のルーバーで目隠しできる。
こだわりポイント8「構造」
家の構造は、大きく分けて3つ。木造、鉄構造、RC（鉄筋コンクリート）造です。材料や性能が異なるだけでなく、見た目のテイストが大きく変わったり、間取りにも影響を与えます。
国産無垢材の平屋
玄関、居室、LDKはもちろん、洗面脱衣所にも国産無垢材をふんだんに使用。経年変化を楽しみながら暮らせるのも木の家の魅力。
RC（鉄筋コンクリート）造
コンクリート打ちっぱなしの無機質感がアーティスティック。強固な耐震性もRC造の特徴。
まとめ
●こだわりすぎると予算オーバーになることも。要望には優先順位をつけておき、希望を絞り込むときの基準にする。
●「プロに相談すれば何とかなる」といった他人任せはNG！迷ったときはまとめておいた家族のこだわりを軸に判断するのが、後悔しない家づくりにつながる。
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こだわり別に探せる！施工例をもっと見てみよう
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