ZEH(ゼロエネルギー住宅)とは?
ニュースなどでも話題になるZEHですが、どのような意味なのでしょうか。
近年、住宅を購入・建築する際に欠かせないキーワードとなっています。
ZEHとは何か、注目される理由を紹介します。
ZEHの意味・読み方
ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語で、読み方は「ゼッチ」です。住宅で使用する一次エネルギーの年間使用量が、ゼロ以下にする家を意味します。
生活で消費するエネルギーをゼロにすることはできません。ZEH住宅では、断熱性能と省エネ性能を高めて消費量を減らしながら、太陽光発電などでエネルギーを創出します。
使うエネルギーより多くのエネルギーを創出して、年間使用量を実質ゼロ以下にするのがZEH住宅です。
ZEHは地球環境に優しい次世代の住宅
地球温暖化が深刻化するなか、脱炭素社会の実現に向けた動きは急速化しています。
環境省に一世帯あたり2.57 トン CO2を排出しており、杉の木約180本が1年間に吸収する量に該当します。
住まいのCO2削減対策として、2025年には「省エネルギー基準の適合」が義務化されます。住宅を含むすべての新築建物が、断熱材の厚さや窓の構造などの基準を満たさなければなりません。
この省エネルギー基準よりもグレードの高いものがZEH基準です。
住宅の省エネルギー化を進めるために、ZEHの重要性はますます高まっています。
出典:令和4年度 家庭部門の CO2排出実態統計調査 結果について(速報値)
ZEHを満たす3つの条件
ZEHとして認められると、経済産業省・環境省・国土交通省による補助金を活用できます。
ZEHを満たすには「断熱性能」「省エネ性能」「創エネ性能」の3つの要素が欠かせません。
ここでは、それぞれに設けられているクリアすべき条件を解説します。
断熱性能
ZEHとして認定されるためには、断熱性能を高めることが重要です。
断熱性能が高い住宅は、暑さや寒さに影響されず、冷暖房費を削減しながら年中快適に過ごせます。
断熱材を使用したり、窓の性能を高めたりすることで、ZEH基準を満たします。
断熱性能の基準値は地域ごとに異なり、寒冷地はより断熱性能を求められるため基準が厳しくなります。
省エネ性能
ZEH住宅は、基準一次エネルギー消費量から20%以上、消費量を削減することが求められます。
家庭内の消費エネルギー量・太陽光発電などによる創出エネルギー量を確認するために、専用システム「HEMS(ヘムス)」の設置が必須です。
また、エネルギー消費量が大きい「照明」「空調」「換気」「給湯」の4項目においては、省エネ性能の高い機器を使用する必要があります。
創エネ性能
ZEHでは消費エネルギーよりも、多くのエネルギーを創出することが求められます。
太陽光発電をはじめ、家庭用燃料電池や蓄電池などのエネルギーを生み出す設備の設置が必須です。
創エネ性能が備わっている住宅であれば、災害時のエネルギー補充にも役立ちます。
風力発電を導入している住宅もありますが、風力だけでZEH基準を満たすのはハードルが高いのが現状です。
ZEHのメリット
ZEHの基準をクリアした住宅にはさまざまなメリットがあります。
ランニングコストが節約できる
ZEHは一般的な住宅と比べて性能が優れており、建築費用は高い傾向にあります。
しかし、無駄な電力を生み出さない省エネシステム・高い断熱性能・太陽光発電などの再生可能エネルギーによって、光熱費が節約できることがメリットです。
また、太陽光発電で供給した電力が余れば、電力会社に売電をして、収益も得られます。
補助金が使える
ZEH住宅は、経済産業省・環境省・国土交通省による補助金制度を活用できます。
一般的な住宅よりも設備投資が必要ですが、補助金の活用でお得にマイホームを建築できるでしょう。
しかし、補助金を受けるにはいくつかの条件を満たし、公募期間や完了期間のスケジュールに合致しなければなりません。
ZEHを建てる際は、補助金制度への理解も深めることが大切です。
高断熱で快適に過ごせる
ZEHの魅力は断熱性能に優れており、省エネ性能の高い設備が使われていることです。
夏は涼しく、冬は暖かく、年間を通して快適に過ごせます。
断熱性の高い住環境は、部屋同士の気温差が小さいことも特徴です。
特に冬場の寒い季節は、急激な温度変化によって脳卒中や心筋梗塞を引き起こすヒートショックを起こしにくいというメリットがあります。
ZEHのデメリット
ZEH住宅はメリットばかりではなく、注意しておきたいデメリットもいくつか挙げられます。
初期費用が高い
ZEH住宅を建てる際に注意したいのが、初期費用の高さです。
エネルギー効率の高いZEH住宅の建築には、太陽光発電の設備や断熱性の高い素材を使わなければなりません。
そのため、一般的な住宅と比べると建築コストが高くなりがちです。
一定の要件を満たせば補助金の活用もできますが、家を建てる際の初期費用の高さはデメリットに感じるでしょう。
メンテナンス費用がかかる
HEMSなどシステム機器をはじめとする、省エネ機器の設置には設備投資費用がかかります。
また、省エネ機器を長く使用するためには、定期的なメンテナンスも欠かせません。
太陽光パネルは劣化や損傷の可能性があり、日々のメンテナンスだけでなく、定期点検も必要です。
メーカーによっては10~15年の無料点検保証を付けているところもあります。
デザインや間取りに制限がある
ZEHの基準を満たすためには、デザインや間取りが思い通りにならないかもしれません。
注文住宅は、ある程度自由度の高い住宅を建てられるのがメリットです。
しかし、ZEHはさまざまな設備を設置する必要があり、太陽光発電の効率化のために屋根のデザインも制限されます。
ZEHの建築事例から好みのデザインや間取りを集めるなど、理想に近い建築プランを探しましょう。
ZEH補助金の種類と性能要件
ZEHを導入する際には、経済産業省・環境省・国道交通省による補助金を活用できます。補助金事業はZEHの種類によって異なります。
ZEHが対象の補助金
ZEHで対象となる住宅は、ZEH・NearlyZEH・ZEHOrientedです。
戸建て住宅におけるZEH基準を満たしていることが、補助金受給の共通条件となっています。
1.強化外皮基準を満たすこと
2.再生可能エネルギー等を除く基準一次エネルギー消費量が、20%以上削減されていること
3.再生可能エネルギーが導入されていること
4.1〜3により基準一次エネルギー消費量から100%削減されていること
出典:経済産業省 資源エネルギー庁ZEHの定義(改定版)<戸建住宅>
ZEHの補助事業には、国土交通省の「こどもエコすまい支援事業」「地域型住宅グリーン化事業」と、環境省の「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH) 化等支援事業」があります。
事業名
①地域型住宅グリーン化事業
②戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH) 化等支援事業
補助金額
①40万円/戸
③定額55万円/戸
条件
①②ZEH基準を満たす
③上記に加え、ZEHビルダー/プランナーが関わる
また、加算対象の設備と補助金額は以下のとおりです。
蓄電システム(定置型)
上限20万円)
直交集成板
90万円/戸
地中熱ヒートポンプシステム
90万円/戸
PVTシステム
【液体式】65万円/戸もしくは80万円/戸
【空気式】90万円/戸液体集熱式太陽熱利用システム12万円/戸もしくは15万円/戸
太陽熱利用システム
【液体集熱式】12万円/戸、15万円/戸(パネル面積により異なる)
ZEH+が対象の補助金
ZEH+で対象となる住宅は、ZEH+・NearlyZEH+です。ZEHよりも高い機器を導入しなければならず、補助金額もZEHと比べて高くなっています。
事業名
戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH) 化等支援事業
補助金額
定額90万円/戸
条件
・ZEH基準を満たす
・ZEHビルダー/プランナーが関わる
・強化外皮基準を満たす
・再生可能エネルギーを除き、30%以上の基準一次エネルギー消費量を削減する
・以下より2つ以上を行う
①再生可能エネルギーの自家消費の拡大措置
・初期実効容量5kWh以上の蓄電システム
・PVTシステム
・太陽熱利用システム
・昼間に沸き上げをシフトする機能を有する給湯機
・電気自動車(PHEVを含む)の充電設備又は充放電設備
②高度エネルギーマネジメント(外皮性能HEMSなど)
また、加算対象の設備と補助金額は以下のとおりです。
蓄電システム(定置型)
上限20万円
直交集成板
90万円/戸
地中熱ヒートポンプシステム
90万円/戸
PVTシステム
【液体式】65万円/戸もしくは80万円/戸
【空気式】90万円/戸液体集熱式太陽熱利用システム12万円/戸もしくは15万円/戸
太陽熱利用システム
【液体集熱式】12万円/戸、15万円/戸(パネル面積により異なる)
【空気集熱式】定額60万円/戸
再生可能エネルギー有効活用のため昼間に沸き上げ をシフトする機能を有する給湯機
定額2万円/戸
電気自動車(PHEVを含む)の充電設備 又は充放電設備
上限10万円/戸
高度エネルギーマネジメント
定額2万円/戸
まとめ
ZEHとは、家庭で「使うエネルギー」と「創るエネルギー」の収支をゼロ以下のする住宅のことです。
一般的な住宅と比べて建築コストはかかりますが、光熱費を抑えられて、トータルのランニングコストは節約できます。
また、断熱性能が高く、年中快適に過ごせることも魅力です。
ZEH住宅の補助金制度は、それぞれに公募期間が設けられています。
交付の決定は申請順になるため、公募が開始したら早めに申請するようにしましょう。