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家づくりガイド 【家づくりの基礎知識やコツを学ぼう】

塗壁ってなあに?

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壁ってどんな仕上げがあるの?

そもそも、室内の壁の仕上げってどんなものがあるのでしょうか?現在、使われているもので多いのはこの4つです。
①壁紙
②塗装
③板張り
④塗り壁

左上/壁紙(提供:セルコホーム三島 西田工務店)
右上/塗装(提供:タク建築)
左下/板張り(提供:丸富建綜)
右下/塗り壁(提供:スズイチ)

この中をさらに細かく分けていくと壁紙の中にもビニールのもの、紙のもの、布のものと分けられていきますし、塗装も使う塗料によって色々なものがありますが、今回は塗り壁のお話なので1つのくくりとしてメリット・デメリットをお伝えしていきます。

①の壁紙のメリットは、ビニールであれば、汚れなどをふけること。そうでなくても真っ直ぐなのでホコリ等は付きにくいです。また、色柄も自由自在に選ぶことができます。一方デメリットは、色あせや壁紙が剥がれてくるといった経年の劣化が激しいことです。15-20年に1度ぐらいで痛みが激しくなり、張替えをされる方が多いです。

②の塗装は、剥がれてきたり、壁のつなぎ目がよく分かってしまうのでこれまでは事務所や店舗用としての簡易の仕上げとして使われてきましたが、最近店舗のようなデザインが流行りということもあり、特にデザイン性を重視する住宅では目にするようになりました。しかし、先に述べたようなデメリットもあるので知った上で選択することが重要です。

③の板張りとは、木を張った壁のこと。これのメリットは劣化がなく一生ものといえること(日焼けはします)と、木のもつ蓄熱性や吸放湿性能です。デメリットは、材料も工事も人の手間もかかるので高価になりがちです。

そして、今回のメインテーマとなっている④の塗り壁。メリットとしては素材自体に湿気を調整する力や、消臭の力があるのが1番に挙げられます。また、独特のテクスチャーも人気の所以です。一方でデメリットは、ボコボコしているのでホコリが着いたり汚れたりすると拭くことができないということ。また、材料費が壁紙や塗装よりも高く、工事費も人の手間もかかるので木と同様に他の2つよりも高額になります。

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塗り壁ってどんな種類があるの?

前章では「塗り壁」とひとくくりにお話しましたが、壁紙と同様に塗り壁にもいろんな種類があり、各社いろんな商品名で商品を出していますが、大きくは漆喰と珪藻土の2つに分けられます。漆喰は消石灰を原料とするもので珪藻土は植物性プランクトンの化石が堆積して出来た地層から掘り出した土を原料としています。

これらの違いはまずは見た目、漆喰は顔料を混ぜなければ「白」であり、粒子が細かいのでツルッとした仕上がりにもすることができます。日本の建物ですと、いわゆる「お蔵」の外の壁は漆喰です。一方、珪藻土は出土される場所でも異なりますがベージュのような色で、粒子が荒いためザラザラした仕上がりになります。

左/珪藻土(提供:ほっと住まいる)
右/漆喰(提供:アイジースタイルハウス)

次に、塗り壁のメンテナンスですが、漆喰、珪藻土に関わらず良くも悪くも「しなくて良い」です。汚れてしまっても拭くことはできません。あまりに気になるようでしたら、その部分だけ重ねて塗るということもできます。しかし、壁紙のように短い単位で劣化をしていくことはないのでその点は安心して良いかと思います。ただスイッチ周りなど手でよく触るところは汚れが目立ってきます。
気になるようでしたら、その周辺だけ木の板を張ったりといった工夫をされてみるのも良いかもしれません。

最後に性能ですが、様々な実験結果によると素材自体の調湿性能は珪藻土の方が優れています。しかし壁に塗るためには、漆喰は水を混ぜるだけで固まる力があるので接着剤などの混ぜものが少くてすむ一方で、珪藻土は土なので何らかの接着剤をしっかりと混ぜないと塗れる状態になりません。となると、商品によってこの接着剤の含有率や成分が変わってきます。この点にも着目して商品を選択しないと、吸放湿性能など本来自然素材に求めていた良さが得られなくなってしまうので要注意です。また、一般的に漆喰は素人では塗りにくいことが多いですが、珪藻土はDIYの商材もたくさん出ています。しかし、DIYで素人でも塗りやすい!となっているものほど先程述べた混ぜものは多い傾向にありますのでお好みで選んでみて下さい。

このように、どこから出土や採取した土や石灰なのかということ、何を混ぜて商品にしているか?によって、珪藻土も漆喰も千差万別です。自分たちがそれらの素材に何を求めるかという点をかけ合わせて商品を選ぶことが大切です。

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ライターのご紹介

鈴木 太可志
しずおかオンライン
イエタテスタッフ
鈴木 太可志

web・フリーマガジン『イエタテ』や『家を建てるときに読む本』の編集担当。

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