NATUREスペース

北側は県道、西側は市道、さらに東側は駐車場と、車や人が頻繁に行き交う2方向道路の角地での建替計画。外の慌ただしさを日常とどう切り離すか。光と風が通る道とプライバシー確保の両立もO邸の重要なテーマとなった。完成した新居は「コの字型」。LDKや寝室などの生活空間が中庭をぐるりと囲む間取りが、視線や音といった外からの干渉を上手に遮断する。対して、家の中心に向かう開放感が、日々の暮らしをいっそう豊かにする住まいだ。生活の中心は、全面を吹き抜けにした1階リビング。天井近くに配した窓から光が降り注ぎ、さわやかな風とともに、2階の気配も1階へと届ける。勾配天井と梁の醸す立体感で、開放感も抜群だ。光と風は、中庭に面した大開口の窓からも。開け放てば、リビングと縁側がフラットにつながり、視線は中庭へ。縁側の先にある中庭はアプローチとしての機能も備えつつ、おうちキャンプやBBQをしたり、縁側で日向ぼっこしたりと、家族のさまざまな楽しみも可能にした。軒のある縁側はキッチン奥の部屋にも延び、生活動線にも。縁側から玄関へと中庭を囲んで続く軒は、雨や夏の強い日差しを防ぐ役目も果たす。一方、キッチンは腰壁で囲み、必要を一か所に集約。十分量の収納スペースに加え、奥に配したワークスペースが家事効率アップにも貢献する。キッチンからは、リビングダイニングはもちろん、中庭を通して玄関や対面の部屋も見渡せ、子どもたちがどこにいても安心して家事ができる。また、キッチン横の天井にはなんとウンテイが。親子の自然なコミュニケーションが生まれる仕組みもちりばめられたO邸。中庭を囲む「軒」と「縁側」が家族の絆も固くつないでくれる、そんな【軒と縁側が繋ぐ家】が叶った。