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縁側の魅力とは?メリットとデメリット・作るときのポイントを解説

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縁側とは

縁側とは

縁側は伝統的な日本家屋において、室内と庭との間にある板張りのスペースをいいます。この章では縁側の役割およびウッドデッキとの違いについて説明します。

 

縁側の役割

日本家屋において、家族の共有スペースとしては廊下と縁側があります。古来廊下は家族の居室をつなぐスペースとして、縁側は居室と外部を調和させるおしゃれな空間としての役割を果たしてきました。縁側の具体的な役割には次のようなものがあります。

 

家族がゆったりくつろげる場

縁側は家族が楽しく集い、お互いの絆を深める癒しの空間としての役割があります。一緒に軽食を食べたり、座って会話を楽しんだり、家族のコミュニケーションの場として活用できます。

 

近所の人とのコミュニケーションの場

縁側は、近所の人と気楽にコミュニケーションが取れるの場所の一つです。自然の風を感じる開放的な空間でお茶を飲み談笑すれば、お互いリラックスして気持ちを通じさせることができるでしょう。

 

四季の移ろいを肌で感じる場

縁側は開放的な空間なため、四季の移ろいを感じる場です。春の訪れとともに可憐な花が咲き、夏は気の日陰に涼風を感じ、夜になると子どもたちと花火を楽しめます。秋はモミジなどが紅葉し、夜になると虫の合唱が聞こえてきます。冬は雪景色を眺めたり、日向ぼっこをしながら暖かいお茶を楽しめます。

 

この様に縁側は四季折々の変化を楽しみ、自然と人々が融合する役割を果たしてきました。

 

ウッドデッキとの違い

縁側は、軒下に作られたスペースで和室の外側に隣接し、日本庭園に調和するデザインが特徴です。四季の移ろいを楽しみ、家族や友人とくつろぐコミュニケーションの場でもあります。

 

一方ウッドデッキは西洋の建築方法で、リビングなどから離れて庭園やテラスなどに設置されます。家族や友人とバーベキューや会食を楽しみ、リラックスする場として利用されます。
縁側は日本独自の文化ですが、ウッドデッキは世界に普及しているものです。

 

縁側の種類、寸法

つぎに縁側の種類および広さについて解説します。

 

縁側の種類くれ縁、濡縁広縁 とは

縁側の種類は大きく分けて、くれ縁濡縁の2つがあります。この2つの縁側はどのような違いがあるのか説明します。

くれ縁(内縁)

広縁
くれ縁は内縁ともいい、和風建築物の掃き出し窓や雨戸の内側に家の一部として作られた縁側をいいます。
くれ縁は「暮れ」を意味し、夕方や夜間でも過ごせることが由来とされています。風雨にさらされることがないので、天気が悪くても外の景色を楽しめます。部屋の一部のためエアコンを入れれば、夏の暑さや冬の寒さに関係なく快適に過ごせます。

 

くれ縁の中で幅の広い縁側を「広縁」といい、テーブルや椅子をおけば居室のようにして、家族や友人が集うくつろぎの場になります。

 

濡縁

濡縁
濡縁は、家屋の外側に作られた縁側のことで、雨に濡れやすいことからこの名前がつけられています。風雨にさらされるため、水に強い素材が使用され、板の間を少し開けて水はけをよくする場合もあります。

 

濡縁には掃き出し窓が設置され、部屋に出入りする際の踏み台としても使われます。また家に固定せずに移動できるものもあり、場所を変えて楽しむことも可能です。

濡縁は家の一部ではないため、通販で購入することも可能ですし、ホームセンターで部材を購入し自分で作ることもできるでしょう。

 

縁側の寸法

縁側の寸法について説明します。

 

高さ

くれ縁にしても濡縁にしても、縁側の高さは部屋の床と同じにして段差を作らないのが一般的です。
部屋の床面の高さと同じにすることで、室内空間と一体化し広がりを感じられます。また部屋の床面の高さと縁側の高さに段差があると危険なため、同じ高さにした方が良いでしょう。

 

濡縁には、室内の床面から15cm程度下げて設置する「落ち縁」にする方法もあります。落ち縁にすれば、目線が低くなり庭と一体感が生まれます。また落ち縁は室内に入る踏み台として使用でき、雨水や土埃が室内に入ってくる心配がないのがメリットです。

 

奥行き、幅

濡縁の場合には、60~90cmの奥行にするのが一般的です。
くれ縁にする場合は、廊下や通路としても利用するため、奥行は90cm程度必要です。また広縁の場合には、イスやテーブルを置く関係で、120cm以上あった方が使い勝手がよいでしょう。

 

縁側の幅については、壁面の端から端までとるのが基本です。
窓の大きさが、畳1.5枚の270cmであれば、それより少し大きめの幅にするとよいでしょう。窓とぴったり同じ大きさにすると、間違って落下する危険がありますし、見た目もよくありません。

 

縁側のメリット

縁側を作るメリットには、どの様なものがあるのでしょうか。

 

冬は暖かく夏涼しい

縁側を作ると冬は暖かく、夏は涼しく過ごせます。
縁側にひさしがあると影を作ってくれるため、夏は直射日光が部屋に入らなくなります。また縁側があることで、暑い外気との距離もでき室内温度の上昇を防いでくれます。さらに和室と縁側の間の窓や障子を開ければ、涼風を取り込めるため涼しく感じることでしょう。

 

冬はひさしがあっても太陽の高さが低くなるため、夏と異なり日差しは部屋の奥まで届きます。縁側のスペースが寒気を遮り、サンルームのような役割を果たしてくれるでしょう。また雨戸やシャッター・掃き出し窓などを設置することで、外気と部屋が遮断され、エアコンの効きが良くなります。

 

家族や友人が集う場になる

縁側は、家族や親しい友人が楽しく集える場所です。
庭でバーベキューなどを楽しみ、子どもたちが遊ぶ姿を見ながら家族そろって縁側でくつろげます。

 

また気楽な友人を迎え、お茶を飲み談笑する良いスペースになります。会話が弾めば縁側から部屋に入って、より楽しいひと時を過ごせるでしょう。また和室やLDKの間仕切りを開放すれば、大きな空間が生まれ宴会を行うことも可能です。

 

庭を楽しむ場になる

縁側は庭との接点のため、四季の移ろいや美しさを楽しむ場として活用されます。
縁側でお茶を楽しみながら庭の草花を愛でれば、日頃の疲れも癒され、子どもが庭で遊ぶ姿を眺めれば、明日からの活力の糧になることでしょう。また昔から秋にはお月見をしたり、冬には雪見酒などを楽しんだり、縁側は自然の風景を楽しむ場所として親しまれてきました。

 

なお縁側を作る際には、庭のレイアウトも考えて作る必要があります。ブロック塀や電柱が見えるようでは興ざめです。専門家の意見を聞いて、庭を楽しめる縁側にしましょう。

 

部屋を広く見せる効果がある

縁側を作れば、居室の一部となり部屋が広く見えます。
特に段差を付けず部屋と同じ高さにすれば、縁側と部屋が一体化して家全体が立派に見えます。特に濡縁の場合は天井や壁がないため、解放感があり部屋が広く見える効果があります。

 

広縁にすれば、自然光が差し込み明るい雰囲気を醸し出すため、一層広い空間に見えることでしょう。

 

サンルーム代わりにできる

縁側は、サンルームとして日光浴を楽しめます。休日にゆったりと読書を楽しんだり日光浴をしたりすれば心身ともに安らぐことでしょう。
くれ縁は雨が吹き込む心配がないため、洗濯物を干して乾かせます。特に雪が多い地域では、外に洗濯物を干せないため、縁側は重要な役割を果たします。また雪が降らない地域では、部屋が乾燥するため、洗濯物を干せば湿度が上がり一石二鳥といえるでしょう。

 

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縁側のデメリット

縁側を作るのはメリットばかりではありません。デメリットもあるため、よく検討する必要があります。

 

縁側を作るスペースが要る

縁側を作るには、十分な広さの敷地が必要です。特にくれ縁を作る場合は、建ぺい率に含まれるため、十分な敷地がないと建築基準法違反になります。

 

土地の広さが十分でない場合、縁側は作ったけれど居住スペースが狭くなってしまい、使いづらいということにもなりかねません。そのため家の設計をするときには、家族の意見をよく聞いて、居住スペースを作るのか縁側を重視するのかよく検討する必要があります。

 

プライバシーや防犯対策が必要

縁側は、開放的な空間がメリットの一つですが、反面プライバシーを確保しにくい面があります。プライバシーを守るためには、目隠しのための壁等を設置するのが対策となりますが、作り方にはひと工夫必要です。そうしないと庭を楽しむための縁側は作ったが、壁があるため景観は悪くなってしまったということにもなりかねません。

 

また縁側は、オープンなスペースなため、防犯面で気を付ける必要があります。特に掃き出し窓のあるくれ縁は、窓を破れば容易に部屋に入られる危険性があります。したがって掃き出し窓のあるくれ縁には、シャッターや雨戸を設置して、防犯対策をしっかり行わなければなりません。

 

庭の維持管理が必要

縁側からの景観を楽しむためには、庭の維持管理をきちんと行う必要があります。
春は花を植え花壇を整える必要がありますし、夏になり庭木が伸びてきたらきれいな形に剪定する必要があります。また雑草が生えてきたら抜き取らなければならず、秋は紅葉が楽しみですが、落葉となると後始末が大変です。

 

若いときは庭の手入れは苦労することなく行えますが、年を経ると庭を自分で手入れするのは大変なことです。また庭木の手入れは、業者に依頼できますが費用は掛かります。そのため庭の手入れは、手間と費用が掛かることを覚えておきましょう。

 

縁側を作るときのポイント

縁側を作るときのポイント

縁側はいくつかのポイントを考慮して作る必要があります。

 

作る目的を明確にする

縁側は、何のために作るのかという目的を明確化することが重要です。
ただ単に縁側のある住まいにあこがれるとか、快適に住めるだろうとかはっきりとした理由なしに縁側を作ってはいけません。使用目的を明確化しないと、単に物置となってしまうことがあります。

 

縁側を作る場合には、庭の景色を楽しむのか、友人との交流の場にするのか、家族がゆったりとくつろげる場所にするのかなど使いかたをはっきりさせる必要があります。

 

庭とのバランスを考える

縁側を作る場合には、庭の大きさを考えて設計しましょう。
大きな縁側を作っても、庭が狭いとバランスが悪くなり魅力は半減します。したがって、敷地全体の大きさを考えて、庭と縁側をバランスよく作る必要があります。一般的には庭に面する部屋と庭の広さが同じぐらいが、バランスがよいとされています。

 

都会に家を建てる場合には、敷地いっぱいに家屋を作りがちです。そのため庭が貧弱なものとなり、解放感を出せません。開放感ある縁側にするためには、多少建物の面積を削っても、ゆとりある庭を作る必要があります。

 

設計によっては洋風なデザインも可能

庭を洋風の庭園にした場合には、縁側よりウッドデッキにしたほうが調和します。
縁側は和風庭園に合いますが、洋風庭園にはマッチしないと考えた方が良いでしょう。そのためまず庭を和風か洋風にするか決めて、縁側とウッドデッキのどちらかを選択するかきめるとよいでしょう。

 

ウッドデッキにすれば、バーベキューなども楽しめ家族や友人と過ごす空間としては最適です。またウッドデッキは、カスタマイズしやすいので、庭の形や大きさに合わせて配置できるのもメリットです。

 

縁側は建て方によっては建ぺい率に含まれる

縁側は、条件によっては建ぺい率に含まれるため注意する必要があります。建ぺい率は、建築基準法により定められ、建ぺい率を超える建物は建てられません。


建ぺい率は次の式により算出します。
建ぺい率(%)=建築面積÷敷地面積×100%

 

縁側が建ぺい率に含まれるかどうかは次の基準によります。

 

◦屋根なし縁側
屋根なしの縁側は、建築面積に含まれません。
◦屋根があり3方向が開放的な縁側
屋根があって3方向が開放的である場合、突き出た長さが建物から2m以下の部分については床面積に含まれません。
◦屋根があって3方向が閉鎖的な縁側
屋根があり3方向が閉鎖的である場合は、建ぺい率に含まれます。

まとめ

縁側は、四季折々の庭の美しさを楽しむ場であり、家族や親しい友人とくつろいで絆を深める場です。使用目的を明確化して縁側を作れば、心地よいスペースになることでしょう。

 

しかし縁側は、庭の管理維持に手間と時間がかかり、防犯対策やプライバシー対策も考えなければなりません。縁側は、メリットとデメリットをよく考えて作ることが重要です。

 

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