静岡県東部
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おろしたてのパリッとした感じ。くすぐったいような洗いざらしの肌触り。くったりと柔らかくなったヘビロテの1本。デニムは、着れば着るほど、自分の体の一部になっていくような心地よさがある。これは、素材自体が持つ力だ。
T邸のリビングには、入居後約3か月探し続け、ようやくみつけたデニム生地のソファがゆったりと納まっていた。実はこれが届いたのは取材の数日前。「私たち、決めるのが遅くって」と、ご主人と顔を見合わせて、ふふっとほほ笑む奥さま。それはきっと、大好きな空間には、心から欲しいと思えるものだけを選んで、集めておきたいという思いからだろう。そういえば、今日は親子揃ってデニム?「休みの日はジーンズで過ごすことが多いですね」とご主人。夫婦合わせると、クローゼットに20本近いジーンズがある。履きやすくて動きやすく、さまざまなブルーの風合いがあるところも魅力だという。だから、デニム生地のソファも一目惚れ。座り心地の良さもあり即決した。「ソファが来るまでは、ここが家族の集まるところだったんですよ」というのは、天板がセメント素材のダイニングテーブル。木の脚との異素材コラボは奥さまのお気に入りで、リビングの主役の座は譲っても、堂々たる存在感。今は、子どもと一緒に寝られる大きめの木製ベッドフレームを吟味中だ。
キッチンで調理道具をちょっぴり拝見させてもらった。野菜の水切りはもちろん、茹でたそばもそのまま食卓に出せる竹編みのザル。ふっくらとした焼き上がりが嬉しい鉄製の卵焼き器。コンロに乗せる焼き網は、トーストをおいしく焼き上げてくれる。土鍋ご飯も憧れだけど、それはこれからのお楽しみ。昔ながらの道具を、ひとつずつ増やしていきたいという奥さま。天然素材を使った道具は、きちんと使い、きちんと手入れすることで長持ちする。そして、それは家にも通じることだ。
玄関先に立つと、ふわっと木のいい香りがするT邸。天然のアロマ、これも素材の持つ力を感じさせる。子どもが成長して家を離れるころ、この家もはきこなしたデニムのように、しっとりと優しい愛着のある家になっているに違いない。
新しいソファは娘もすっかりお気に入り。静かになったなと思ったら、気持ちよさげにお昼寝中。白と淡い木のナチュラルカラーで整えたリビングに、爽やかな青空のようなデニムブルーが差し色となって、明るさや華やぎを添えている。このデニムが、家族や家とともにどんな風合いになっていくのかも楽しみだ
全体の色味をシンプルに抑えたリビング。L字形の間取りでゆるやかにゾーニング
キッチンの奥に設けた奥さまの家事室。ここで一週間分の食事メニューをゆっくり考えるのも幸せな時間
三角屋根がイメージ通りの仕上がり。グレーの外壁と、1階の壁と軒天井に用いたレッドシダーのコントラストにも目を引かれる。バルコニーの手すりを鉄骨にすることで、シンプルな家のフォルムが際立っている。目の前には田んぼ。田植えから始まり、青々とした稲がやがて黄金色になる。そんな季節の風景をお二人は心待ちにしているのだそう
叶えたのは、おしゃれで自由度の高い、家族の気配が感じられる家。素材の経年変化も楽しみ
自然に囲まれた地域の、素材感を活かした家でゆったり暮らす3人家 族。家具は家のデザインに合わせてひとつずつ吟味している。新鮮な 野菜を求めて直売所に出掛けるのが、休日の過ごし方のひとつ。