この家の特等席ともいえる窓辺のベンチ。ぽかぽかと心地よいこの場所は、「日常の中に庭を眺めながらのんびりできる時間を」と建築士が用意した、Aさん夫妻へのプレゼントだ

夫婦二人の暮らしを楽しむ平屋は、道路からみると窓が一切ない外観デザインにもかかわらず、開放的に過ごせる住まいだ。坪庭や中庭を有することで、すべての部屋で外の光を室内に取り入れられる設計になっている。

ウエスタンレッドシダーの無垢材を天井にあしらったLDKは、天井高に変化を持たせることで、奥行きのある空間を演出。床はホワイトオークの無垢、壁には漆喰塗りを採用するなど、素材一つひとつにも「心地よく暮らす」ことへの想いが表れている

キッチンとダイニング空間を仕切るキッチンカウンター。モールテックス仕上げのマットな質感が、味わい深い

家の南に広がる約6畳の中庭は、休日は夫婦2人で食事をしたり、のんびり夜風を感じながら晩酌したりできるプライベートガーデン。リビングと中庭をつなぐ窓には天井まで届くハイサッシを採用することで、室内へも抜群の開放感をもたらしている

調湿性の高い珪藻土が使われたランドリールームは、「部屋干し」が日常的なライフスタイルに合わせて大きめに設計。すぐ隣にはウォークインクローゼットがあるので、片付けもスムーズだ。クローゼット内の床には、防虫効果のある杉板を使用

中庭を望める地窓からやわらかな光が注がれる、4.5畳の和室。壁は大谷石、畳には和紙畳を使用している

庭の植栽が木陰をつくり、鳥のさえずりや木々のやさしいざわめきが暮らしのBGMに。ダークブルーのサイディングをヨコ葺きにした外壁が、青空によく映える

LDKに面したテラスは特等席のような空間。のんびりと景色を眺めたり、仲間とバーベキューを楽しんだりなど自由に過ごせる

２階の階段ホールには猫用の出入り穴が設けてあり、吹抜けの梁を渡って窓辺のキャットウォークの特等席へ。猫用の窓から外を眺めるのが、愛猫の「コハダ」くんのお気に入り

角に大きな窓を集め、南東から入る日差しがたっぷり室内に注ぐ。カーテンレールを収納するカバーは大工の手仕事。掃き出し窓の上にも光を取り入れるための横長の窓をつけた。写真右側のデッキに面した壁にはベンチ。窓辺でのんびり外の景色を眺められる