狭小住宅を専門としている建築会社だけの事はある。脱帽だ。「狭い土地に狭いなりに建てて住まわせれば良い」などという甘い考えは微塵もない。　逆に【狭小の美学】にこだわり抜いたフォルムに圧倒されたのは私だけではなく、近隣にお住いの方、通りかかる方、この写真を見た方共通であろう。主な生活空間が２階だというのに、　窓はゼロ。全く生活感がない。むしろショップをイメージさせる純白で、スタイリッシュなキューブ型は、これからの若い世代の家造りの主流になるのではないか？　とも連想させられる。１階の玄関ドアを開けるとインナーガレージ。趣味のバイクを眺めながらコーヒーが飲めるではないか。その奥には１２畳の仕事場で広告デザインの工房である。驚いたのは２階ＬＤＫの広さと明るさ。　バルコニーの壁を高くした事で外からの視線は完全シャットアウトしながらも、空からはこれだけの陽が入る設計。３階に向かう階段が一体となり吹抜け感がより増大された。最上階には３室。主寝室と子供部屋２室。　まだ小さいので１０年後に２つに仕切れるよう、ドアだけは２枚あるが、当分１２畳のままで子供達が入浴後から寝るまでの第二リビングになりそうだ。狭い狭いと言うわりにキッチン・洗面・トイレ・洗濯・脱衣・洗濯干し場は全て２階にある。無駄な動線は皆無。ここまで計算され尽した合理的な３階になるとは想像していなかった。