「家らしくなく、カッコよく、ずっと飽きの来ないシンプルなデザインで」という夫妻の希望を叶えた印象的な外観。奥行きのある細長い敷地を巧みに活かし、道路側に店舗を、東側に住居を配置。店舗は外部から直射日光が入りすぎないように窓の位置にも配慮がなされている。「プライベートと仕事の両立、それが何よりも家族の幸せに繋がる。家族とともに楽しめる住まいが実現しました」と語るのは女性建築家の内山里江氏

吹抜けがダイナミックな開放感をもたらすリビング。南面から心地よい光が室内全体に注ぐ。キッチンを中心にランドリールームや収納、2階への動線を配置し、家事動線をショートカットした

玄関土間の正面にあるキッチン。アイランド型にして、グルグル回れる動線を確保。既成のキッチンをモルタルで覆うことで、まるでオリジナルキッチンのように見える

階段下の空間を有効活用してご主人の書斎を確保。ダイニングの隅に配置したので、家族とのつながりを保ちつつ自分時間を楽しめる。テレワーク時にはドアを閉めて仕事に専念できる

洗面台のカウンターを壁いっぱいまで伸ばし、家事スペースに。部屋干し用のバーも設置。洗濯物を畳んだりアイロンがけをしたりと便利。空間を有効活用する工夫が光る

室内から眺めた玄関。南面に面しているので、大きな固定窓を設けて明るさと開放感を確保した

木製ドアを開けるとすぐ店舗スペースが。最初はフリースペースとして利用し、将来的に美容室を開業予定

道路に面した美容室のエントランス。奥さまのこだわりで、アンティークの風合い漂う木製ドアを採用。外部から室内に直射日光が入りすぎないように開口部などが工夫されている

青空と家と家族が集う暮らしのワンシーンに幸せがにじむ

家族用の玄関にシューズクロークと「ただいま手洗い」を設置。手洗いは、壁を境に両面から使えるようになっており、住居と店舗で共有できる仕組み。手元以外は壁で覆い、店舗のお客さまから住居の様子が見えないように工夫されているのがポイント

家族団欒の声が聞こえてきそうな家から幸せ色の灯りがこぼれる。20年全量買取の大型ソーラーパネルを搭載

家にいる時間のほとんどを過ごすリビングは、勾配天井と吹き抜けで開放感たっぷり。家族の成長をずっと見守ってくれる寛ぎの空間だ

「休みの日に家族でどこかへ出かけるのも良いですが、我が家でのんびり寛ぐことが選択肢に加わったことが嬉しいです」と語るOさん。我が家でリゾート感覚を満喫できるのも、同社で家づくりを依頼して良かった点なのだそう

74坪の敷地に完成した30坪のN邸。主に1階に家族が集まって生活するため、2階は必要最小限の間取りに。「小さくても豊かに暮らせる住まい」という建築家・伊礼智 氏の設計手法が息づいている

食事は1階DKが中心になるので、2階のキッチンは簡易的なものを選んだ。開放的な空間をもち、2世帯住宅のサイズと仕様を有するが、光熱費は「友だちの家より、ずっと少ないみたいです」と奥さま。優れた性能に加え、1棟ごと光と風をシミュレーションし、自然の力を活かす設計がなされているおかげだ

1階の間取りはシンプルに、栗の無垢フローリングが肌に優しいLDKと、水回りに玄関のみ。吹き抜けを通して2階フリースペースと繋がる設計は、どこにいても家族が一緒にいる感覚をもたらす。「眠る時間以外全員ここで過ごします。息子はいつも、畳におもちゃを広げていますよ」そう夫妻が語るそばで、子どもが素足で走り回る様子が印象的だ。暮らしながら必要なものをしつらえる。そんな感覚で住まうYさんの家は、時を経るごとに家族に馴染んでいく