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床材の選び方〜無垢の床材を選ぶポイント〜

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無垢の床材ってどんな種類があるの?

合板でなく無垢の床材にしよう!と思った時、大きく分けて決めるべきことは3つあります。
①樹種はなににするか?
②表面の塗装はどうするか?
③表面加工や張り方はどうするか?

です。
メンテナンスや触り心地などは実は樹種だけでなく、塗装に由来するものも大きいのですが、そのあたりを混同して混乱している方が多いように思いますので、注意してくださいね。
まずこの章では、木の種類についてお話したいと思います。木の種類によって傷がつきやすいかどうかは決まってきます。触り心地や見た目ももちろん決まりますが、この2つは塗装によって変わることもありますので合わせて考えていく必要があります。木の種類は世界中に何万種類とありますが、理論上はどの木でも加工をすれば床材としては使えます。しかし、現実的に日本で床材として出回っているのは数十種類でしょうか。その中でも木の種類を大きく分けると「針葉樹」と「広葉樹」があります。まずはその特徴についてお話しますね。

昔学校で習ったのは、針葉樹は針のような尖った葉の形をしていて木の形も上に向って伸びていく木、広葉樹は葉も丸く枝も上にはもちろん横にも広がって行く木。そんなところでしょうか。それを、床材という視点で比べてみると、一般的に針葉樹は軽く柔らかく、広葉樹は硬く重いです。これは、木が含んでいる空気の量に関係しています。

木を顕微鏡で見た写真

上の画像で分かるように、木を構成する細胞と細胞の間には、無数の穴が空いていてそこに空気が入っています。この量(孔の数)が針葉樹の方が多く、広葉樹の方が少ないのです。そのため針葉樹のほうが軽く、空気を多く含むので、熱伝導率が低く(人の体温を奪わない)温かく感じます。広葉樹の方が重く、熱伝導率が高いため冷たく感じます。それぞれの差を少し実験してみました。

高さ60センチのところから物を落として比べてみました。見ての通り、針葉樹だけはへこんでいますよね。このような差が出てきます。ちなみに、この傷を魔法のテクニックで目立たなくすることもできるのですが、これはまた次回お伝えします。

さあ、どっちがいいの?というところですが、これは本当にお好み。素足で過ごすことが多かったり、足腰の負担を軽減したい時には柔らかくて足触りのいい針葉樹がおすすめです。しかし、写真で見ていただく通りどれも色合いも明るく白っぽい色になります。(着色することも可能です)さらに、年月を経ることに日焼けにより、だんだんと茶色に変わっていく点にも注意が必要です。家具を移動したら、置いてあったところだけ新築当時の色でびっくり!ということもよくあります。また、先に延べたように柔らかいので傷が付きやすいことも欠点です。長い間ソファーやベッドを置いておくとその脚の部分だけへこんでいるというということもありますので、それらの欠点を知った上でお選び下さい。

天然の色で濃い色の床にしたいという方や、傷が気になるという方は広葉樹がおすすめです。しかし、針葉樹に比べ足触りの柔らかさは劣りますのでその点は知っておいてくださいね。広葉樹も多少の日焼けはしますが、元の色が濃いせいもあり、針葉樹に比べればそう極端ではありません。

また、写真はAとBは2枚ともヒノキの床材です。節があるかどうかでずいぶんと雰囲気が変わります。天然の木ですので、節があるものないもの、色むらがあるものないものなどいろいろな物があります。実際に選ぶときは、建築業者さんとの間で誤解がないように樹種の名前だけでなく、カタログやサンプルでしっかりどの木のどんなグレードのものなのかしっかり確認するようにして下さい。

一口に「無垢の木」と言っても種類は様々。写真はどれも天然の木そのものの色。




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塗装って何が違うの?

第一章で、針葉樹と広葉樹の違いやそれぞれの特徴をお話しました。しかし、その特徴を活かすも殺すも塗装次第です。塗装というのはそもそも、見た目をより美しくするためと、表面保護のために行います。その選択肢としては代表的なものは3つあります。

①無塗装
まったく塗装をせず使用。無塗装の場合は木そのものの質感を楽しむこともできますし、塗装の部分のコストを下げることもできます。しかし、表面保護もされないためシミや汚れはつきやすくなります。それを味わいとして楽しめる方にはおすすめです。また、木そのものなので汚れなどをヤスリなどで削ることもご自分でできます。

②オイル仕上げ
オイルの種類にもたくさんありますが、どれも考え方としては油を染み込ませることによって木の表面を保護します。物理的に保護膜を作るわけではないので、触り心地は損なわれず、油によって汚れや染み込みを防ぎます。しかし、ウレタン塗装に比べると保護力は弱いのでそれがデメリットです。塗装自体は難しくないので汚れた場合は部分的にヤスリで削り自分で塗料を塗ることもできます。

③ウレタン塗装
木の表面にウレタンで保護膜を作って表面保護をします。保護力はオイル塗装に比べて大きいのは安心な点ですが、膜を作ってしまうため木本来の触り心地は損なわれます。また、家具を引きずるなどして一度塗膜に傷がついてしまうとそこから汚れが入ったりその傷が目立ったりするということもあります。この塗膜はオイルとは違い素人で簡単に直すことができないのがデメリットです。

この3つの中から、どれにするかを考えていくわけですが、たとえば、肌触りを求めて針葉樹にしたのに、塗装でウレタン塗装を選んでしまっては本末転倒ですよね。そのあたりに注意しながら選んでくださいね。また、塗装ですので当然色を付けることもできます。ただし、オイル塗装の場合、広葉樹は色の吸い込みにムラが出てしまうことや色が入りにくいということもあるので、必ずサンプルを作ってもらって決定することをおすすめします。また、メンテナンス方法もこの仕上げ方法によって異なってきますが、それについて詳しくは次回お話したいと思います。

着色した杉の施工例(写真提供:住たくeco工房)



加工や張り方で個性を出すことも

加工や張り方で個性を出すことも

最近では、張り方や並べ方もいろいろとあります。住宅では少ないですが、表面をボコボコさせるなぐり加工のものや浮造りといって木目を際立たせたものや、ビンテージ加工したものなどもあります。さらに張り方もヘリンボーン張りなどちょっと変わった張り方も人気が高まっています。思い切ってそういったのを選ぶのも楽しいですね。また、巾が広いものや狭いものでもずいぶんとお部屋の印象が変わります。一般的には75ミリ、90ミリ、120ミリ、150ミリぐらいが商品としてよく出回っています。巾が広いものの方が高級感が出ますが、価格も広いほうが上がっていきます。

また、フローリングの商品をよく見てみると「ソリッド」や「ユニ」と書いてあることがあります。床材というのは、通常1820ミリの長さがありますが、ユニというのは、この長さの間でユニット(つないで)してあります。ソリッドというのは1820ミリを1つの材料から取っているため継ぎ目はありません。これも、ソリッドの方が高級感は出ますが、価格も当然上がってきます。最近では床暖房対応の無垢の床も出てきていますが、まだまだ選択肢は広くありません。

このように、樹種、サイズ、塗装、張り方をそれぞれ考えて床材を選んでいくことになります。迷ったときは、そこで暮らした時のイメージをしてみて下さい。素足かスリッパか?どんな家具を置くのか?など。また、一長一短ですので何を優先するかを考えることも大切です。例えば寝室。ベッドを置くから硬い床の方がいいかな?とも思いますが、朝起きたときに触る床はやはり温かく気持ちいい方がいい?など。家づくりはこれからの暮らしづくり。自分たちの価値観を整理するいいチャンスだと思ってじっくり考えてみてくださいね。

次回は、無垢の床のメンテナンスのお話をします。迷ったときはメンテナンス方法で決めるのもいいかも!?次回をお楽しみに。

岡崎製材 床材
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