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家づくりガイド 【間取りとデザインのアイデアを探そう】

実例323軒の人気間取りを発表!<第1回リビング編(吹き抜け・畳スペース)>

リビング周りに採用された間取り 一番多いのは「畳スペース」

リビング周りに採用された間取り 一番多いのは「畳スペース」

洋風の家が多くなってきたとはいえ、まだまだ根強い人気を誇るのが畳スペース。リビングまわりの畳スペースはインテリアとしては悩み所ですが、家事や子どもスペースとして多目的に使えるうえ、着替えなどひとりで籠れる居場所としても便利なため、住んでみれば改めて畳の良さを実感します。

先輩たちのLDK、広さの平均は「20.4畳」!

先輩たちのLDK、広さの平均は「20.4畳」!

リビングのプランで誰しも気になる、“広さ”のこと。ステキなお宅にうかがったとき、第一印象で「リビング広い!」と感じた経験のある人も多いのではないでしょうか。

一般的に4人家族のLDK・目安の広さは「16畳以上/快適な広さは20畳以上」といわれます。ですがこれは家全体の大きさ、LDKの配置、置く家具によっても異なります。

イエタテ調査で明らかになった静岡の先輩たちのLDK広さの平均は、「20.4畳」。快適な広さの目安とほぼぴったり、同じ結果となっています。データをみても1位「21畳」、2位「20畳」となり、3位に16~19畳がほぼ同率で続きます。つまりLDKのおよそ6割が16~21畳のあいだでプランニングされている、ということになります。

ですが、もしも自分の建てたい土地が広くなかったとしても大丈夫。工夫次第でLDKの広さは確保できます。

(調査対象:「フリーマガジンイエタテ」「家を建てるときに読む本」掲載の住宅)

オープンLDKが人気!

オープンLDKが人気!

先輩たちの多くが採用している間取りのひとつが[オープンLDK]。リビング(L)・ダイニング(D)・キッチン(K)を一空間に、極力間仕切りを省いてつなげるプランです。

[オープンLDK]が増えている理由は

○リビング・ダイニングと連続した「オープンキッチン」の人気が継続中
○LDKを一空間に納めることで限られた面積を効率的に使え、リビングの面積を広くとれる

ことが大きな要因だと考えられます。


みんなと同じ[オープンLDK]を採用したとしても、個性の出し方は色々です。

・LDK全体をL字型に配置、くつろぎたいリビングとキッチンの間に程よい距離感を保つ
・省スペースで納まる壁付キッチンを採用、リビング・ダイニングを広々使う
・対面キッチン前にカウンターを設け、ゆるやかにリビング・ダイニングと区切る
・アイランドキッチンを中心に据え、LDKを“みんなで食を楽しめる空間”にする

など、住む人のライフスタイルや使い勝手に応じたプランが考えられます。

開放感抜群の[吹抜けリビング]、約4割が採用!

開放感抜群の[吹抜けリビング]、約4割が採用!

立体的でダイナミックな広がりが気持ちいい[吹抜けリビング]。[吹抜けリビング]とはリビング上の天井をなくし、上階の天井までオープンにつなげた間取りのこと。

視線が抜けて開放感抜群なうえ、大きく取れる窓からたくさんの光が取り込め、リビング階段とも好相性。リビングが広く感じられるプランとして、根強い人気があります。

イエタテ調査での[吹抜けリビング]採用率は38%。先輩の約4割が取り入れている人気のプランといえるでしょう。

吹抜けの取り入れ方はリビングの天井全体ばかりではなく、天井の一部分だけ、リビング階段の上階周りだけ(画像下参照)、光が取り込める窓のある壁上まわりだけ、とバリエーションも豊富です。

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吹き抜けリビングのメリット・デメリット

吹き抜けリビングのメリット・デメリット

人気の[吹抜けリビング]ですが、採用の前に知っておきたいメリット・デメリットがあります。

<メリット>
・天井が高く、狭い面積でも広々感じられる
・住宅密集地でも大きくとった窓から採光&通風が確保できる
・リビングと上階子ども部屋を吹抜けでつなぐと、お互いの気配が感じられコミュニケーションしやすい
・デザインのアクセントになり、空間がセンス良くまとまる

<デメリット>
・天井(上階床)を抜いて上下空間をつなぐため、吹き抜けの大きさによっては、構造的に弱くなりがち
・冬は吹抜けであたたかい空気が上昇し、逆に上階の冷えた空気が降りてくるので、リビングが寒い
・吹抜けにすることで上階の床面積が減り、作れたはずの部屋や収納が減る
・リビングのテレビの音や調理中の匂いが、吹抜けを介して上階子ども部屋まで届いてしまう場合も
・吹抜けの照明・窓周りの掃除、電球交換等のメンテナンスが大変

一般的に[吹抜けリビング]は空間が大きくなるためエアコンが効きにくく、月々の光熱費が高くなります。ですがこの点は空調や建物の気密・断熱性によってカバーできます。

[吹抜けリビング]の空調で検討したい設備のひとつが、床暖房です。床暖房はエアコンの補助暖房の役目を果たします。

床暖房で足元があたたかければ、室温をそれほど上げなくても快適に過ごせます。部屋が乾燥せず、埃が舞わず音も静かなため、導入した人の満足感は高いようです。ただ床暖房は導入・ランニングコストとも高いのが難点。

一方建物そのものの気密・断熱性を高めて冷暖房効率を上げ、エアコンだけで快適に過ごせるようにするのも方法のひとつ。建物全体の性能を高めれば、他の居室の冷暖房効率UPやヒートショック(家の中の急激な温度差がもたらす身体への悪影響)の心配も減らせます。

[吹抜けリビング]の冬の寒さが気になる人は、建物の気密・断熱性に気を配った上で、エアコンに床暖房等の補助暖房を組み合わせて設置するとより効果的でしょう。

吹き抜けリビング採用の際は、こうしたメリット・デメリットの理解が大切です。依頼先ともよく相談して採否を決めるようにしましょう。

“畳の空間”「リビング隣接和室」それとも「畳コーナー」?

“畳の空間”「リビング隣接和室」それとも「畳コーナー」?

間取りづくりがスタートすると「畳の空間、便利そうだけど、本当に必要?」と迷う人も多いのではないでしょうか。

イエタテ調査をみると、畳の空間の採用率はなんと67%!静岡の先輩の家のおよそ3軒に2軒は、畳の空間がある、という結果が出ています。

作るなら床の間があるきちんとした「和室」か、壁や天井はリビングと同じで床の一部だけが畳の「畳コーナー」か。場所はリビングとつなげるか、それとも将来の親との同居用に独立して用意するか…。

畳の空間がほしい理由は様々ですが、もしも「親族や友人が泊まりに来たとき、やはり和室が必要」と考える場合は、要注意。

自分たち家族のためではなく、来客用として用意される和室は使い勝手が良くない場所に配置されがち。そのためほとんど活用されなかったり、気がつくと物置部屋になってしまうケースも多いのです。

畳の空間の3タイプ

畳の空間の3タイプ

せっかく作る空間なら、できるだけ有効に使えるプランを考えたいもの。そこでイエタテでは先輩たちが採用した畳の空間を詳しく調査、大きく3つのタイプあることが分かりました。

[1] 間仕切りできる。場所はリビング隣接 →  リビング隣接和室
[2] 間仕切りできる。場所は家の各所(リビング隣接でない) →  独立和室
[3] 間仕切りナシ。場所はリビング周辺 →  リビング畳コーナー

データを集計してみると、半数を上回る56%の先輩が「リビング隣接和室」タイプを採用しています。

畳の空間3タイプの特徴

畳の空間3タイプの特徴

「リビング隣接和室」タイプの良さは、ふだんは開け放ってリビングの延長として広々便利に使え、必要な時は仕切って客間として、寝室や家事室としても幅広く使える点でしょう。子どもが小さいうちは着替えやおもちゃ、ランドセルや学用品等をまとめておく“子どもスペース”としても重宝。散らかったままのおもちゃもふすまを閉めてしまえば、リビングに影響しません。

また20%と数は少ないものの、リビング周辺に間仕切りを設けず設置する「リビング畳コーナー」も近年採用数が増えています。本格的な和室は不要だけど、ゴロゴロしたり洗濯物を畳むスペースとして使いたい、という人にはぴったり。床材をフローリングから畳に変えるだけで済むので、和室を作るのに比べ費用がそれほどかからないのも魅力です。畳は縁なし畳やベージュ系カラーでシンプルにまとめることで、リビングのナチュラルなインテリアとも違和感なく馴染みます。

床と段差をつけて“小上がり”の畳コーナーにすれば、段差の分高さが上がるのでソファやイスに座っている人との目線が合いやすく、段差でできた空間は大容量の収納として活用できます(画像参照)。

畳の空間のリラックス感、用途の幅広さは捨てがたいモノ。家全体とリビングの大きさを見ながら、畳の空間もスペース的にうまく納まりそうなら、つくって後悔はなさそうです。

まとめ:リビングの居心地の良さは、間取りでつくれる!

このようにリビングは工夫次第で広く、居心地よくすることができます。おそらく家の中でいちばん長い時間を過ごすことになる、リビング。ぜひアレコレたくさん悩んで、家中でいちばんのお気に入りスペースにしてください。

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