３色のサイディングと板壁をミックスしたスタイリッシュな外観が印象的なK邸。最大の特徴は、車好きなご主人の「車の整備など、趣味を思い切り楽しみたい」という希望で設けられたビルトインガレージだ。敷地の傾斜を利用することで、整備リフトの設置に十分な３ｍの天井高と16畳もの広々とした空間を確保。また、居住スペースへの動線にも配慮されているので、趣味の場として独立させつつ、住まいともゆるやかなつながりを持たせている。そんなご主人の理想を追求したガレージとは対照的に、奥さまが使いやすいように意見を取り入れたのが、キッチンやサニタリーなどの家事スペース。共働きということもあり、家事分担を軽減する効果的な間取り、動線を検討した。リビングからの視線が気になるキッチン背面に大容量の造作棚を設けたのも奥さまの希望。以前から使っていた食器棚が収まるサイズに設計し、来客時には引き戸を締めて生活感をカバー。「建築家の矢橋先生が１日の家事のスケジュールや生活サイクルまで詳しく聞いてくださったのが印象的でした。ライフプランも含めて提案してもらえたのがとてもよかったです」と微笑む奥さま。夫婦それぞれの希望を取り入れて、暮らし心地のいい住まいが完成した。