静岡県中部
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日常の食材や生活雑貨を販売する個人商店が点在する住宅街。近くの伝統工芸職人さんの工房兼住宅からは、素材を加工する音がリズミカルに響く。子どもと一緒に散歩に出ると、ご近所のおじいさん、おばあさんが優しく声をかけてくれる。Kさんが暮らすのは、そんな温かな人情が残る下町的なエリアだ。「町全体で子どもたちを見守っていてくれるなって実感するんです」と話す奥さま自身も、この町で生まれ、育ってきた。自分も子育てをするなら、この土地がいいと感じながら。
Kさん夫婦の日課は、子どもたちと一緒に庭で遊ぶこと。手入れの手間がない人工芝は一年中緑をたたえ柔らかく、ボール遊びで駆け回る元気な長男を怪我から守ってくれる。最近手押し車で歩き始めた長女も、もうすぐお庭デビューだ。これまで半休の日は買い物などに出掛けることが多かったというご主人だが、今では子どもたちと一緒に家で過ごす時間が長くなった。子どもの頃は団地住まいで、庭のある一戸建てに憧れを持っていたご主人。もしかしたら、誰よりもこの空間を喜んでいるのかもしれない。
K邸にはもう一つ、とっておきの場所がある。町を見渡すルーフバルコニーだ。見上げれば無限に広がる青空。眼下には子どもと買い物に行く魚屋さんや、河川敷に続くお気に入りの散歩コース。改めて眺める町並みは、まさに住宅密集地。なのに、この家には青空がある。そして開放感も! 夏に開催される町内の花火大会は、毎年この特等席から眺めるのがお決まりになった。
結婚、出産、マイホーム…。夫婦の転機の中でも一番大きかったのは、やはりこの家を建てて暮らし始めたこと。LDKの主役である大きなアイランドキッチンに刺激されて、それまで料理とは無縁だったご主人が、奥さまのご両親や友人を招いて手料理でおもてなしする機会もできた。餃子を作る日は、長男も包むお手伝い。長女が成長したら奥さまと一緒にお菓子作りを楽しむのだろう。家族で一緒に過ごす宝物のようなこの空間。K邸には今日も、子どもたちの成長が感じられる、愛おしく穏やかな時間が流れている。
乗り物が大好きな長男。ルーフバルコニーに出るとチャイムを鳴らしながら走ってくる車が。「あ、ゴミ収集車だ」と大はしゃぎ。車体が見えなくなるまで眺めていた。天気が穏やかな日はバーベキューを楽しんだり、夏はプール遊びもできるゆとりの広さ。都市型3階建てならではの贅沢な空間だ
家からすぐの魚屋さん。「あ、タコがあるよ! イクラも! 」。ひとりで出掛ける“初めてのおつかい”も、もうすぐかも
日当たりの良い庭でゴルフ遊び。走っても、寝転んでも、元気いっぱいに遊べる
2階のLDKには、明るい光が燦々と降り注ぐ。「子どもと一日中一緒にいられるのは今だけ」と、奥さまも家でのんびり過ごすようになった
ガレージのある3階建てで、住宅密集地でも光と風を感じる家での子育てを希望していた
新居に引っ越してまもなく長女も生まれ4人家族に。以前よりも家族揃って散歩をしたり、家で過ごす時間が増えた。奥さまは育休中。遊びも家事も一緒にしながら、子どもの成長を日々感じている。