静岡県中部
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「包丁を持つ手はなるべく動かさずに、りんごをゆっくり回転させながら皮をむくのよ」「こう? あ、できた、できた!」「お姉ちゃんだけズルイ。ママ、私にも教えて」。日曜日の朝、M邸のキッチンでは毎週恒例の親子クッキング教室が開かれる。きょうは、長女が家庭科の授業に備えて、初めてりんごの皮むきにチャレンジ。ジョギングから帰って来たご主人は、そんなほほ笑ましい光景を眺めながら、リビングのソファに座って新聞を読んでいる。
夫婦の間には、小学5年生、3年生、幼稚園年少の3姉妹。家族みんなが自然に集まるリビングはダイナミックな吹抜けの大空間で、時間がゆっくりと流れる。「遊びにやってくるママ友みんなが“わぁ、すご〜い!”と歓声を上げるんです。そのたびに、人を招き入れることの喜びを実感しますね」と奥さま。仕事がない日は和室の小上がりに座って、吹抜けの窓に映る白い雲が流れていく様子をぼんやり眺めるのも好きだという。
この家に住み始めてから、家族の絆がより深まったと夫婦は感じている。ダイニングテーブル一体型のキッチンを造作したことで、家事時間を短縮できたぶん、家族で過ごす団らんの時間が増えたからだ。「3人それぞれの個室をつくりましたが、引きこもらないよう、あえて狭くしました。宿題はダイニングでしています」とご主人。自然に1階に降りてくるようにという、夫婦の期待通りになった。さらに、スキップフロアを活かしてつくったキッズスペースの存在も大きい。キッチンに立つ奥さまとちょうど目線の高さが合うため、子どもたちはいつでもママに見守られ、奥さまも様子を見ながら料理できるという安心感がある。
「3人ともいつかはこの家を出てしまうでしょうから、今のうちにしっかりと向き合って、愛情をいっぱい注ぎたいと思います」。しんみりとこう話すご主人を笑顔で見つめる奥さま。3姉妹はいくつになっても自慢の我が家に帰って来たくなるはずだ。なぜなら、デザインがおしゃれで、居心地がよくて、家族との思い出がいっぱい詰まったこの家は、彼女たちにとって永遠の“ふるさと”なのだから。
ダイニングテーブル一体型のカウンターキッチンは、共働き奥さまの家事時間を短縮すると同時に、子どもたちのスタディコーナーにもなる。宿題でわからないところがあればすぐママに聞けるし、ママも子どもたちの勉強の進み具合がわかるので安心できるのだそう。姉妹がテレビやゲームをして遊ぶ中で勉強する環境が、どんな場所でも集中できる力を養ってくれる
開放感に満ちた吹抜けのリビング。南と東の高窓から長時間に渡って光が降り注ぐ。スキップフロアを活かしてつくったキッズスペースは、リビングに立つパパママと目線の高さが同じになり、親子の会話も弾む
おこもり感のあるキッズスペースは、子どもたちにとって秘密基地のような場所。対角線上にキッチンがあるので、ママとのコミュニケーションもスムーズ。子どもたちが巣立った後は、パパの書斎になるかも
塗り壁と間接照明の温かみに癒やされる玄関ホール。天井まで届くスリットの窓越しに家族の気配を感じるのがポイント
格子戸で外からの目線を緩やかに遮りつつ、光と風を通すファサード。帰ってくるたびにホッとする
キッチンのすぐそばに奥さまの家事コーナーを造作。ミシンやPCなど、趣味の時間も確保した
笑顔が素敵な夫妻と元気いっぱいの仲良し3姉妹。『アリアンス』の代名詞でもあるスケールの大きな吹抜け空間と世界基準の断熱材「アイシネン」に惹かれて、家づくりのパートナーに選んだ。
(株)好文堂代表取締役。早大卒業後、リクルート、浜松百撰を経て2007年独立。住宅、スポーツ、企業紹介、学校案内、人物インタビューを得意とする。著書「失敗しない家づくりの法則」。静岡コピーライターズクラブ(SCC)会員。