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家づくりガイド 【家づくりの基礎知識やコツを学ぼう】

どこで建てる? 誰と建てる? 購入先を選ぶ前にしておきたいこと。

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家づくりを思い立つと…

さあ、家を建てよう!と思うと、多くの方がまずは住宅展示場を見に行ったり、完成見学会に行ったり、ネットで口コミを探してみたりととにかく建築業者の情報収集をされませんか。そして、その挙句、結局どこがいいのか分からない…、と完全に迷路に迷い込んでしまい、最終的にはそれに疲れて「キャンペーン」や「値引き」はたまた勢いなどで契約してしまいます。すると、家が建つ頃になってもしくは住み始めてから「こんなはずではなかった」「思ったよりも○○」と不満が出てきてしまうのです。

こうなってしまう原因は一つ。何を基準に建築業者を選ぶのか。つまり、家を建てることによってこれから自分たちがどんな暮らしをしていきたいのかがはっきりしていないから、なのです。例えば、学区を途中で変えたくないので子どもの小学校入学を機に家を建てる!というご家族の場合、住所が固定されればいいわけですから、どんな家でも建築会社でもいいのです。しかし、「せっかくならいい家を建てたい!」と思うのが心理。しかし、この「せっかくだから」の部分を深く考えずに住宅展示場に「とりあえず」見に行ってしまい、たくさんの営業トークを聞いてしまう。すると、どれもいいと思えてしまい選べなくなってしまうのです。この場合、小学校入学というのは「きっかけ」であり「家づくりの目的」ではありません。目的地がないとどこに向かえばいいのか分からなくなるのは当然です。歩み出す前に、しっかりとした目的地を決めることが迷子にならないために大切なことです。





目的地はどう見つける?どうすればたどり着ける?

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 1.要望を書き出す
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これから建てる家でどんなふうに暮らしたいかを書き出してみてください。例えば、“家事をもっとラクにしたい” “収納をきちんと作って散らからない家にしたい” “木の香りがする家が良い” “夏暑くなく、冬暖かい家が良い”などです。そうやってたくさん羅列していくと、「だんだん自然素材の家がいいんだ」とか、「広々としたリビングがほしいんだ」とか、「庭が広いほうがいいね」とか、見えてくるものがあります。夫婦でとにかくたくさん希望を出してみてください。1冊ノートをつくってまとめてみるのもおすすめです。この、自分たちの中にある要望は建築会社が多少は引き出してはくれるものの、基本的には自分たちの中にあるものですので、自分たちでしっかりと整理してみてください。そうしてみると、「木の香りのする気持ちいい家を建てたい!」とか「家事を楽にして家族との時間をしっかり取れる家にしよう!」とか家づくりのゴールであり、家を建てるからこそできる幸せな暮らしが見えてきます。ここまでくれば、目的と似たコンセプトを持つ住宅会社や想いを汲んでくれる相手と家づくりをスタートです。

(写真下)じゅうmadoにて使用している要望記入用のノート

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 2.複数社からの間取りと要望シートをチェック!
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複数業者から間取り提案が出てきたら、自分たちのまとめた要望が反映されているか照らしあわせてチェック!「思うような図面が出てこない」と嘆いたり、「どこも同じような図面ばかり」とご相談に来る方も多いですが、そういった方は図面作成前の要望をきちんと出していないからということがほとんど。

「対面キッチン、広いLDK、はやりの玄関収納を付けて、パントリーもほしい。できれば和室も。2階には子ども部屋2つと主寝室、広めのウォークインクローゼットを付けて」なんていう、ごく普通の要望しか出していないとすると、どこも同じような図面になるのは当然です。小学校6年のテストで足し算の問題しか出していないようなもの。全員100点を取ってしまってどの子に5をあげたらいいか分からない。と言っているようなものです。もっと、無理難題を出して差が開くようにする必要があります。

「靴を20足しまうための収納、ウォークインクローゼットのパイプは5m、風通しは良く、メンテナンスに費用がかからない素材で…などなど、たくさんの要望をきちんと上げて伝えることで、設計能力の良し悪しも分かりますし、図面を見た時に自分の要望と照らしあわせて思うような家になりそうかどうかを確認することができます。

要望を出すという作業は、楽しくもありますが、実はかなり大変です。しかし、建築業者さんも人間です。きちんと家づくりに向き合っている人には、それに応えてくれるものです。自分は楽をして相手に求めてばかりではなかなか良い物はできません。家づくりは、建てる前に「努力」をするか、建てた後に「後悔」するかしかないのかも。せっかくなら、努力をしてその後の人生を快適で幸せなものにしてみませんか。

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 3.全て要望が反映された状態で見積もり、契約へ
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予算とももちろん相談しながら要望がきちんと反映された図面を出してくれたところと契約に進みます。ここまでくるころには、随分自分たちの家づくりの目的地も固まって揺るぎないものとなっているはず。建築途中にもいろいろと決断する場面が出てきますが、初めに家づくりの目的地がしっかリと決まっていれば自分たちも迷いませんし、建築業者さんにも目的地を共有してもらえ、プロの知恵も引き出しやすくなります。


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ここが大きな落とし穴!お金のコト

もう一つ、自分たちでしっかりと考えておいてほしいことがあります。それはお金。相談窓口でも、建築後のお悩みの半分以上はローンの返済について、です。契約するときは、「家賃と同程度」と聞いていた返済額。しかし、蓋を開けてみると、本体工事以外に引っ越しや家具、外構工事などにお金がかかる。さらに住み始めるとこれまでかかっていなかった固定資産税や町内会費、光熱費も大きな家になって増えたり、さらに5~10年もすれば給湯器などの部材から始まり外壁などのメンテナンス費用も必要になります。さらに時期を同じくして教育費もどんどん上がってきます。そんな生活の中で経済的に苦しくなり、なんとかならないかと相談にいらっしゃる方が多くいます。

そうならないためには、まずは住宅費用を総額で考えておくことが大事です。登記の費用や引越し費用など今回家づくりにまつわるお金のすべてをきちんと把握し、総額でいくらまでなら支払っても、これからの人生に支障がないかを考えてみてください。さらに、5~10年後さらには30年後も見据えて長い人生の中で今回組むローン額が返済できるかもシミュレーションしてみること。一般的に支出のピークはお子さんが大学に行かれている間、収入減のピークは、退職~年金受給までの間です。その時でもきちんと返済ができるか、もしくはそれまでにローンを終える、貯めておくなどの措置が取れるのか。そして忘れてはいけないのがメンテナンス費用。住宅取得後も年間20万ほどのメンテナンス用貯金が必要です。家を持つというのは、今いっときのことではなく、生涯にわたっての買い物であることを忘れないで下さい。そこまで考慮したお金の計画と、家づくりの要望のバランスを取りながら建てていくのが家づくり成功のためには必要なことです。

「生涯」で考えてみてください。

お金のところでもお話しましたが、家づくりは「生涯」で考えることが大切です。お金の返済ももちろんですが、住み続けるのも「生涯」と思っている方がほとんど。今建てる家に80歳になっても住むのです。その間に子どもは独立し、自分たちの体は衰えていく。90歳まで生きる予定、35歳、子ども5歳で家を建てた場合、55年住む家になりますが、子どもが18歳で家を出れば13年間しか子どもは一緒にいないことになります。残り42年は夫婦ふたりの生活です。しかし、家づくりをされる方は子どものいる13年間に焦点を当てて子ども部屋や広い収納を計画されます。すると、残りの42年間は広い家を持て余すという方も多いのです。

自分たち家族の経年変化も意識しながら、本当にお金をかけるポイントや広さなども考えながら要望の整理を行うのがおすすめです。また、10~15年に1回ぐらいはなんらかのメンテナンスの必要も出てきますので、建築会社とのお付き合いも一生涯になります。一生涯気持よくお付き合いがしていける相手を選びましょう。

前回も書きましたが、建築会社を選ぶときに大切にしてほしい心づもりがあります。それは、建築業者はあくまでもパートナーということ。お金を払ってすべてをお任せする相手だと考えているとトラブルになることが多いです。自分たちも協力しながら作り上げていくという感覚を持っていたほうが必ず成功します。そのために、相手を理解し、短所も受け入れた上で契約をし、家づくりを始めるのがおすすめです。足りないところは自分たちが補ってあげる。そうしながらプロの力をしっかりと引き出してください。そのパートナーを探すためには、まずは、自分たちが今回の家づくりで実現したいことを整理し、どんなパートナーを探すべきなのかを考えることです。

各建築業者の特徴は前回お話しさせていただきましたのでぜひ合わせてお読みください。また、今回テーマにした要望整理。実は特に細かく書いておくべきなのは「収納」それについてはまた詳しく回を設けてお話しますので、ご期待くださいね。

岡崎製材
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ライターのご紹介

イエタテ編集部
イエタテ編集部

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