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袋井市にある春岡神社の横、鎮守の森の緑を正面に、小さな木の家が完成した。室内に入ると、上質な天竜杉をふんだんに使い、柱と柱の間に「Jパネル」を落とし込んだオール無垢の吹抜け空間が広がる。Jパネルとは、この家を設計した建築家・三澤さんが開発した杉三層パネルで、強靭な耐震構造を発揮する。漆を塗った床は、大工と施主さんが一緒にワークショップで行い、深みのある光沢が魅力の「イッピンもの」になった。建築家がつくる家というと、デザイン優先で使い勝手が悪かったりするけれど、F邸は回遊動線や適量適所の収納を備え、子育てママの負担を軽減する。
鮮やかな漆の床、シンプルで力強い骨組、そして数々の手わざ…作り手の想いがこもった木の家は、大工の伝統技術を教育する場にもなった。「丈夫で高性能な“暮らしの器”を石牧さんに作っていただきました。これからは私たちが少しずつ手を加えながら育てていきたいと思います」と微笑む奥さま。建築家と地元工務店のコラボによって誕生した家は、自然と利便性が揃う環境にぴったりと馴染んでいる。
施主さんにも参加していただき、自分たちで塗った漆の床板がなんとも言えない味わいを出しています。大工さんをはじめ、職人さんの伝統的な技術と、日本古来から伝わる漆の素材に天竜杉や遠州綿紬の地域材を活かし、落ち着いた佇まいになりました。
設計者名 | MSD(三澤文子) |
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施工社名 | 石牧建築 |
敷地面積 | 289.65㎡ [87.44坪] |
延床面積 | 100.64㎡ [30.38坪](1階 76.96㎡[23.23坪]、2階 23.68㎡[7.15坪]) |
施工面積 | 109.61㎡[33.09坪] |
構造・工法 | 木造軸組工法、Jパネル壁落とし込み構法 |
竣工 | 2016年9月 |
施工期間 | 6か月 |
外部仕上げ(屋根) | ガルバリウム鋼板 |
外部仕上げ(外壁) | ガルバリウム鋼板、天竜杉、塗り壁(リシン掻き落とし) |
内部仕上げ(床) | 天竜杉厚30mm 漆塗装 |
内部仕上げ(内壁) | 『石牧建築』オリジナル珪藻土、Jパネル |
内部仕上げ(天井) | Jパネル |
内部仕上げ(断熱材) | 壁:グラスウール、天井:フェノールフォーム、基礎:押出法ポリスチレンフォーム |
内部仕上げ(柱) | 天竜杉 |
使用メーカー(バス) | ハーフユニットバス(天井・壁/さわら漆塗装) |
使用メーカー(キッチン) | オリジナル造作 |
使用メーカー(照明) | オリジナル造作 |
使用メーカー(窓・サッシ) | LIXILアルミ樹脂複合ペアガラス、日射遮蔽格子網戸造作 |
設備・施設・その他 | 随所に漆塗装 |
もともと、地元の木を使って、地元の大工さんが建て、その技を次代に継承してほしいという想いがあり、そんな中、石牧さんと出会えてよかったです。要望を伝えたところ、大阪の著名な建築家をご紹介してくださり、石牧さんとのコラボが実現しました。建築家が設計すると聞いて、金額が心配でしたが、石牧さんが間に入ってくれたおかげで、予算内で収まり、言いたいことも言えました。引渡しの日、建築家の三澤先生から「この家は私の代表作です」と言っていただき感動しました。石牧さんからは「今日からが本当のお付き合いの始まりですから」と声をかけてもらい、思わず涙が込み上げてきました。
アパートに住んでいましたが、子どもの成長とともに手狭になって。自然環境に恵まれた場所に一軒家を建てて、心豊かに暮らしたいと思うようになりました。両親から「そろそろ新築したらどう?」と背中を押されたことも大きかったです。
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