静岡県中部
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「見えてる見えてる、今日はカンペキ!」「あ、雪がつもった!」。毎朝リビングに降りてくると、ウッドデッキから富士山の姿を確かめるのが長男の日課。この日はあいにくの天気だったけれど、自分の家のデッキや窓から、ドンと構える富士山を眺められるのは自慢だ。それは神奈川出身のご主人、大分出身の奥さまにとっても同じ。1日、1月、1年…、土地選びの決め手になったこの街ならではの風景が、暮らしのリズムを生んでいる。
高台にあるA邸のLDKは、街なかなのに郊外にあるような、1階なのに2階にあるような気持ちよさ。無垢と漆喰で満たされた空間にはA夫妻の飾らない人柄が溶け込み、ほどよい洗練とぬくもりが調和して居心地がいい。「“人が集う家”が自分たちなりのテーマでした」とお二人。週末には友人家族を招いて、奥さまの手料理でおもてなし。ときに知り合いの講師を呼んで、スワッグやハーバリウムの教室も開かれるのだそう。「両親が気兼ねなく子どもたちの顔を見にこられるように」と、和室はLDKから独立。「ここはぼくのこだわり」とご主人がいう旅館のようなしつらえが、ホッとくつろげる雰囲気を叶えている。普段はリビングの丸テーブルのまわりに、自然にみんなが集合。夕食の片づけが済んだあと、子どもたちがテーブルゲームに熱中する姿を見ながらワイングラスを傾けるとき、夫婦はしみじみとした幸せに包まれる。
新築のように思えるA邸だが、じつはもうすぐ4年目を迎える。「床は味がでてイイ感じになってきました。キズもふえましたけど(笑)」。ソファでひとつになっていたかと思えば、何かを探しに階段をいったりきたり。そんな子どもたちを見守るご主人の顔には、こちらもうれしくなるような穏やかな笑みが浮かぶ。リビングの棚や洗面台横のニッチに飾られているのは、お気に入りの雑貨、大切な場面を収めた写真、そして奥さまと子どもたちによるスワッグやハーバリウムの作品。お二人が選んだのは、シンプルだけれど、好きなものをていねいに選び、自分たちのペースで足していく暮らし。Aさん夫妻の“家づくり”は、これからも続いていく。
床は踏み心地やさしい凹凸感がある無垢オーク、壁は漆喰。左手には水回りがまとめられ、家事効率を高めている。窓の外はデッキが続く
奥さまが作っている“スワッグ”とは、花や葉を束ねた壁飾りのこと。素朴でナチュラルな雰囲気がA邸のシンプルなインテリアによくなじむ
LDKは自然素材のぬくもりと勾配天井の大らかさがバランスよくブレンドされている。リビングイン階段は奥さまの希望。あえて3段だけ見えるようにすることで、空間のアクセントの役割も
両親が気兼ねなく利用できるよう、独立させた和室。旅館風の趣きが心地よいしつらえはご主人のこだわり
寝室の一角に小屋裏を利用した収納を用意。今はここを子どもたちのプレイスペースにして、広い部屋を寝室に。将来は分割して2つの子ども部屋にする予定。家族の成長を受けとめるしなやかな設計が嬉しい
暮らし方もシンプル。造作の棚に置かれているのは、本当に好きなもの、大切なものだけ
県外出身、30代のご夫婦と小3、年長の男の子の4人暮らし。大学時代に出会い、就職先が遠距離となったため、20代前半で結婚。この家を建てたのも20代のうちだった。休みの日は熱海や修善寺へ。
吉田町出身。静岡大学工学部卒業後、医療用具メーカーにて製造マシンの設計・製作に従事。ある事故をきっかけに、“うれしさの近くにある仕事”をと考え、2002年にデイクリップをスタート。