建物に対して45度の角度で傾けられたビルトインガレージと通りからの視線を弾くコンクリートの塀をもつ外観を見ただけで、確かな主張を感じることだろう。ただしそれは見栄えを優先した結果ではなく、敷地の個性とY夫妻の要望から導かれたもの。驚きとため息を誘う空間は、玄関ドアの先にも連続していく。勾配天井の大らかさとモノトーンのコーディネートが融合するLDKに満たされるのは、洗練とリラックス。ポイントは室内方向に大きく引き込んだタイルデッキで、季節ごとの豊かさがもたらされることに加え、家族のプライバシーもしっかりと守られている。キッチン右手にはスタイリッシュな造作洗面台を中心にランドリースペースとウォークインクローゼットをレイアウト。動線ともリンクさせ、希望した家事ラクが叶えられた。平屋としても生活できるよう、寝室は1階に。10年先、20年先の暮らしやすさにまでデザインが行き届くことが笑顔の理由だ。