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家づくりで知っておきたい「住宅性能」とは?耐震・断熱・気密・耐風・耐火・ZEHについてわかりやすく紹介|イエタテ家づくりガイド

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住宅の「性能」にはどんなものがある?

住宅性能は、「家が備えている能力・品質」と言い換えられます。
家づくりの過程でよく登場する用語から、今注目されているワードまで、6つの性能を紹介します。

 

 

1.地震に強い家を建てる【耐震性能】

1.地震に強い家を建てる【耐震性能】

耐震性とは?制震・免震との違い

「耐震」とは、地震に耐える力のこと。筋交いなどで補強した「耐力壁」や接合部の金物で、建物を頑丈にします。
家を建てるときは建築基準法で定められた耐震基準を守る必要があり、新築住宅は一定の耐震性を備えています。そのため建物は倒壊しませんが、伝わる揺れは軽減されません

建物に伝わる揺れを減らすために上乗せするオプションが「制震」と「免震」です。
「制震」は伝わった揺れを吸収し低減すること、「免震」は揺れが建物に伝えないようにすることで、どちらも装置が揺れを吸収する仕組みです。

耐震

制震

免震

 

耐震性の高さを示す「耐震等級」

建物の耐震性がどれくらい高いかを知る目安となるのが「耐震等級」で、3つのランクに分けられます。

<耐震等級1>
建築基準法で義務付けられている耐震基準と同等。人命が助かる最低ライン。

<耐震等級2>
等級1の1.25倍の耐震性能。学校・病院など災害時に避難所となる建物と同等です。

<耐震等級3>
等級1の1.5倍の耐震性能。警察・消防署など防災の拠点となる建物と同等です。

耐震等級が高くなると建築費用は上がりますが、地震保険料の割引が受けられる、公的住宅ローンの金利が優遇されるなどのメリットもあります。

耐震等級

 

2.劣化しにくい家を建てる【耐久性能】

2.劣化しにくい家を建てる【耐久性能】

耐久性とは?

新築住宅にもいつかは寿命が訪れます。建て替えずに長期間住み続けられる、寿命の長い家は「耐久性」が高いと言えます。

税法では家の耐用年数を木造住宅22年、鉄骨造34年、鉄筋コンクリート(RC)造47年と定めていますが、実際の寿命はもう少し長いことが多く、また同じ工法でも、立地などの環境やメンテナンスによって寿命が異なります。

 

耐久性を高める工夫とは?

耐久性を高める方法は、大きく分けて2つあります。

1つ目は、劣化しにくい建材と工法を選ぶこと。
木造に比べて、コンクリートと鉄骨を使う鉄筋コンクリート造の寿命が長いのは必然と言えます。

2つ目は、劣化に備えたメンテナンスをすること。
例えば鉄骨造の住宅でも、湿気や結露でサビてしまえば強度が下がり、耐久性に影響が出ます。

建材と工法に関わらず、床下の通気をよくして構造の傷みを防ぐ、屋根や壁を定期的に張り替えるなど建てた後にきちんと手入れをすることで、家の寿命は長くなります。

 

 

3.夏は涼しく、冬は温かく暮らす【断熱性能・気密性能】

3.夏は涼しく、冬は温かく暮らす【断熱性能・気密性能】

断熱性とは?

「断熱」とは、熱の行き来を遮断すること。外の熱気冷気が室内に流れ込むのを防ぎ、室内の空気を外に逃がさないための工夫を「断熱性能」と言います。

外壁と内壁の間に断熱材を入れたり、窓や屋根、床に断熱性の高い材料を使うことで、断熱性が高まります。

特に窓は熱の出入りが大きく、窓の断熱性能が原因で、エアコンの効きが悪い、窓際が底冷えするといったことも。

 

気密性とは?

建物における隙間の度合いを「気密」と言い、「気密性が高い」とは、隙間がなく密閉されている状態を指します。

気密性を高めるには、防湿シートや気密テープで隙間を埋める、気密効果の高い断熱材や施工方法を採用するなどの方法があります。

外気の熱が伝わりにくく、密閉性の高い「高断熱・高気密の家」は、冷暖房の効きがいいので、光熱費が抑えられるメリットがあります。

 

断熱性・気密性の高さは「Ua値、Q値、C値」でわかる

断熱も気密も、実際に目にすることができません。目に見えない断熱性・気密性を数字で表したものが「Ua値、Q値、C値」です。

<Ua値>
家の表面積に対して、壁、天井、床、屋根などから逃げる熱を表す数値。

<Q値>
家の床面積に対して、壁、天井、床、屋根と換気によって逃げる熱を表す数値。
2013年まではQ値が断熱性を判断する基準でしたが、省エネルギー基準の改正により、現在はUa値で判断されています。

<C値>
家の隙間の大きさを表す数値。延べ床面積に対する隙間量を表します。

Ua値、Q値、C値はいずれも小さいほうが性能が高いと判断できます。

Ua値

Q値

 

C値

 

 

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4.暴風に備える【耐風性能】

4.暴風に備える【耐風性能】

耐風性の高さを示す「耐風等級」

年々大型化する台風への対策として、耐震性とセットで検討したい「耐風性能」。性能の高さは2段階で表示されます。

<耐風等級1>
建築基準法で義務付けられている耐風基準と同等。

<耐風等級2>
等級1の1.2倍の耐風性能。

等級1よりも等級2の家のほうが風による負荷に強く、倒壊したり損傷したりしにくくなります。

 

耐風性を高める工夫とは?

耐風等級を上げる以外にも、風による家への被害を軽減する方法として、
●窓に雨戸やシャッターを取り付ける
●風圧に強いサッシを選ぶ
●横からかかる風の力に強い構造を選ぶ
●下からの風で屋根が持ち上がらないよう、留めつけの強い屋根材を使う
などが挙げられます。

また、耐震性が高い家は風による揺れにも強いと言え、耐震性を高めることもひとつの手段と言えるでしょう。

 

 

5.火災に備える【耐火性能】

5.火災に備える【耐火性能】

耐火性とは?

建築基準法では、「耐火性能」を「火災が終了するまでの間、建物の倒壊と延焼を防ぐための性能」と定めています。

また、家の総合的な性能を10項目で診断する「住宅性能評価制度」では、延焼のしにくさを示す「耐火等級」を定めています。

 

「住宅性能評価制度」の詳しい内容はこちら

 

耐火性を判断する指標のひとつ「耐火等級」

家の耐火性能を示す指標はいくつかありますが、「耐火等級」は、住宅がどれくらいの時間、火炎や熱に耐えられるかを示したものです。

戸建て住宅の場合、窓などの開口部は3段階、外壁などの開口部以外は4段階でランクづけされます。どちらも数字が大きいほど耐火性能が高くなります

 

 

6.ゼロ・エネルギー住宅を目指す【ZEH(ゼッチ)】

6.ゼロ・エネルギー住宅を目指す【ZEH(ゼッチ)】

ZEHとは?

「ZEH」は「Net Zero Energy House(ネットゼロエネルギーハウス)」の略で、「ゼッチ」と呼ばれます。

ZEHの条件は3つあり、
●高効率エアコンやLED照明などを導入した、消費エネルギー量の少ない住宅である
●太陽光発電システムやエネファームなど、エネルギーを創り出す設備がある
●冷暖房=エネルギーの消費を減らすため、断熱性・気密性を高めたり、間取り・工法を工夫した住宅である
こと。

これにより、消費エネルギー量よりも創エネルギー量が多い「ゼロ・エネルギー住宅」を目指すものです。

 

国も支援するZEH

現在、国では省エネとCO₂(二酸化炭素)排出量削減を進めています。この取り組みの一部として、経済産業省・環境省・国土交通省の3省が連携し、ZEHを推進。ZEH基準を満たす住宅を新築・購入した人を支援する補助金制度を設けています。

補助額は55万円。登録されたZEHビルダー/プランナーが建築することなど、詳細条件があります。

 

「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」の詳しい内容はこちら

 

長期優良住宅との違い

ZEHと同じく省エネ性能を持つ住宅に「長期優良住宅」があります。国による補助制度がある点もZEHと同じですが、基準はやや異なります。

長期優良住宅は、手入れをしながら長期間にわたって住み続けることを前提とした家を指します。そのために、劣化対策や耐震性の確保のほか、設備の補修や交換が簡単にできること、定期的な点検・補修が計画されていることが求められます。

ZEHは「家を取りまく環境の未来」に配慮した住宅、長期優良住宅は「家そのものの未来」に配慮した住宅と言えそうです。

 

 

まとめ

●住宅性能とは、言い換えれば「家が備えている能力・品質」。

●安全性を示すもの、快適さを示すもの、未来に配慮したものなどさまざま。

●等級や数値など、客観的な指標で表されるものが多い。

 

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