愛知県三河
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将来に向けて、これからどんな暮らしをしようかと決めかねていたOさん。「まずは行動しないと」と夫婦で初めて訪れた住宅展示場内のモデルハウスに、奥さまは一瞬にしてハートを射抜かれた。「ラグジュアリーなのに尖っていない、上質な雰囲気に惹かれました。この世界観を我が家で表現できたら、きっと毎日が潤いに満ちて心豊かに暮らせるだろうなぁとイメージがふくらみました」。
それから2年。100坪の広大な敷地を活かして完成した平屋は、住宅街にほどよく馴染みながらも特別な存在感がある。ギャラリーのような洗練された玄関ホールに明かりを届ける、薔薇をモチーフにしたステンドグラスは奥さまの宝物だ。
ともに、本と音楽が大好きなお二人。普段は開放感あふれるリビングで、バッハの交響曲に耳を傾けたり、お気に入りの画集やスポーツグラフィック誌を読んだり、思い思いの時を過ごす。本やレコードを並べた造作の収納棚には扉を付けず、「見て楽しむ」暮らしを演出した。
そこから2段ステップを上がると、夫婦が最もこだわったクラシックモダンのダイニングキッチンが広がる。ヘリンボーン張りの無垢の床、CUCINAのオーダーキッチン、アンティーク調のタイル、レ・クリントのペンダントライトなど、本物の素材だけが持つ質感や細部にまで徹底されたデザインは、新築なのに何年も前から住んでいるような心地よさを感じるという。
ぐるりと回遊できるワンフロアでありながら、複数の段差を設けたことで目線の高さが変わり、飽きることがないと語るご主人。書斎は、天井まで届く大きな書棚に蔵書がぎっしりと収まり、主寝室の書棚には奥さまが敬愛する作家たちの小説が美しく並ぶ。そこから一冊を持ち出して、リビングのソファでハーブティーを飲みながら、静かにページをめくる時間が夫婦にとって最高の贅沢だ。
これから庭でツル薔薇を育て、外壁全体に這わせたいという大きな夢もある。別荘のような非日常的な空間で、いつでも大好きなモノだけに囲まれて過ごす日々。そんな暮らしが夫婦の人生をより豊かに熟成させていく。
「CUCINA(クチーナ)」のオーダーキッチンがアンティーク調のタイル、ステンドグラスと絶妙に調和し、料理タイムを華やかに演出する
高い天井と大きな開口部が開放感を生み出すリビング。鏡面のような輝きを放つチェックのタイルは床暖房仕様
宙に浮かんでいるように見えるブックタワーには、いつも手元に置いておきたいお気に入りの画集を飾って
その日の気分によってチョイスした本と茶葉を楽しむ
ハーブティーの香りに癒される午後のひととき。器もすてきなものばかり
上質な空間を彩るクラシックのCDコレクション。奥に見えるご主人の書斎にも壁面いっぱいに書棚を造った
本を読み終えたら夕飯の支度。リビングからステップを上がりキッチンへ。「好き」を詰め込んだ空間は毎日心が弾む
美しい薔薇のステンドグラスは、浜松市内の女性作家が奥さまの雰囲気に合わせて製作
夫と妻の二人暮らし。転勤族だったが、ようやく勤務先のエリアが固定されたのを機に新築を決めた。夫婦ともにスポーツ観戦が趣味で、ラグビー、野球、サッカーもよく観に行く。
(株)好文堂代表取締役。早大卒業後、リクルート、浜松百撰を経て2007年独立。住宅、スポーツ、企業紹介、学校案内、人物インタビューを得意とする。著書「失敗しない家づくりの法則」。静岡コピーライターズクラブ(SCC)会員。