先祖代々受け継がれてきた山間の丘陵地に新居を建てることにしたSさん。建物に使う材木は、自己所有の山から夫妻が自らの手で伐採。「冬に二人で山に入って、チェンソーでヒノキの木を伐り出しました。それから家が建つまでの経過は、ドキュメンタリー映画にできそうな程ドラマチックでしたよ」と奥さまが笑顔で語る。『安形』と二人三脚で完成させた新居は、平屋＋小屋裏で構成。父親の介護体験を活かして、バリアフリーや介護のしやすさも配慮されている。室内の床や壁には、夫妻が伐採したヒノキ材を使用。「これほどまで上質な無節の材木が採れるとは思いませんでした」とご主人。天井の梁組みが見事なLDKは、夫妻の自慢の空間。山から吹く清涼な風が窓から窓へ抜けていく。また、LDKを囲むように和室や寝室を設けてあり、「二人で暮らすにはちょうどいい間取りと広さです」と奥さま。ご主人は日の出とともに起床し、畑仕事をして、食事やくつろぎの時間をゆったり満喫するのが日課。大自然の中で晴耕雨読の日々を愉しむ毎日だ。